東京ガス内製開発チーム Tech Blog

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KubeCon + CloudNativeCon Europe 2024 (in London!) に参加してきました!

みなさん、こんにちは!最近 Kubernetes に触る時間が取れず、枕を涙で濡らしている杉山です!

そんな私ですが、去る4月1日〜4日にロンドンで開催された KubeCon + CloudNativeCon Europe 2025 に参加してきました!ので、参加レポートを書きたいと思います!💪 ロンドンまでの直行便はとても長かったですが、素敵な街でした🇬🇧

KubeCon + CloudNativeCon とは?

公式ページは以下となります。

events.linuxfoundation.org

The Cloud Native Computing Foundation’s flagship conference brings together adopters and technologists from leading open source and cloud native communities in London, England from 1-4 April, 2025. Be a part of the conversation as CNCF Graduated, Incubating, and Sandbox Projects unite for four days of collaboration, learning, and innovation to drive the future of cloud native computing.

Kubernetes をはじめとした CNCF Projects に関する技術・事例セッションはもちろん、実際のメンテナーと会話することもできる貴重な場です! セッションも公開されているので、ぜひこちらの再生リストへ🙋(その数379本・・・!

www.youtube.com

イベントをふりかえって

前回のソルトレイクシティで開催された North America 2024 に続き、二回目の参加でしたが、初めてのロンドン!そして一人!ということで中々の緊張でした。直行便を利用しましたが、片道14時間ほど・・・寝ても寝てもなかなか辿り着きませんが、行かせてもらえるだけで感謝です🙏

さらにロンドンというと天気が心配でしたが、到着してから帰国するまでずっと快晴!イベント最終日の午後はビッグベンなど回ったのですが、気温も20度で日差しも強く、私を含めて多くの方が半袖でした。思えばソルトレイクシティは寒かった・・・ですね・・・❄️

また、今回の宿は会場から一駅隣だったのですが、ホテルから駅まで15分近く掛かるということもあり、普段の運動不足が響いたので、自分にあった宿選びは本当に大切だと痛感です。

それでは、参加したセッションやイベントなどのご紹介を!

Day0 (Co-located event)

Co-located イベントは、Kubernetes 以外の CNCF Projects の中から、Guraduated したプロジェクトを中心に扱われるイベントです。私は前回同様、午前に ArgoCon へ参加して、午後からは Istio Day に参加しました。

Argo は CNCF の中でも3番目の Contribution ということで、今回もすごい人の多さです。メインセッションのあとは、ニューヨーク・タイムズ社の Argo における SLI/SLO を定める話を聞いていましたが、非常に面白い取り組みでした!Argo 自身がダウンしてしまうと、当然ながらデプロイができなくなってしまいます。Datadog の SLI/SLO ダッシュボードを見て「やりたい・・・っ!」という熱量が一気に高まりました。ユーザージャーニーの定義から具体的な定義方法まで紹介しており、とても参考になるセッションでした。

動画はこちらです👇️

www.youtube.com

午後に参加した Istio Day のサプライズは、Istio Ambient Mode の Windows コンテナへの対応!!・・・でしたが、Windows コンテナ使ってる人で挙手したのが5名しかおらず、「あなたたちのためのセッションです!」と言っており、やっぱり Windows コンテナ利用者は少ないのだなあ、という違ったインサイトを得られました。私たちが使うときは来るのかな…?

また、今回は全体を通してマルチクラスターの話題が多かった(個人の体感です)ように感じましたが、Istio Day でも Navigating the Maze of Multi-Cluster Istio というタイトルのセッションがありました。

www.youtube.com

マルチクラスターサービスメッシュという、聞くだけで複雑性に震え上がりそうですが、チャレンジしてみたいですね。Co-located event の動画もアップされているようですので、改めて深堀りしたいと思います。

Day1 — Day3

ここからが KubeCon の本イベントです!Keynote やセッションをはじめ、スポンサーブースや Project Pavilion など、とても回りきれないイベントラッシュが待っています。

Keynote では、初日に紹介された以下が気になりました。

Headlamp

headlamp.dev

Google Cloud Multi-Cluster Orchestrator

cloud.google.com

Headlamp のデモは、user-friendly Kubernetes UI と名乗るとおり、これがあれば Kubernetes への取っ掛かりもしやすそう!と一人盛り上がっていました。最近のマイクロソフトさんはオープンソースへの取り組みがすごいですね。ぜひ導入したいです!Kubernetes 触る時間を作らないと。

Google Cloud から発表された Multi-Cluster Orchestrator も良さそうで、やっぱり GKE 使ってみたいなあ、と改めて思いました。単一クラスターで Kubernetes を始めた当チームですが、私が新規事業の立ち上げに入り、新しい事業ドメインに関するマイクロサービスを提供するクラスターを作ろうとしています。サービス間の通信のみならず、クラスター間の通信を考慮し、クラスター同士がどこまで平仄を合わせるべきか・・・これもまた新しいチャレンジということで、ワクワクしています!

また、二日目の Keynote では End User Member / Supporter の紹介があり、弊社ロゴが掲載されていました!!

錚々たる企業の中に並んで紹介される日が来るなんて…

もちろん嬉しい気持ちもありつつ・・・錚々たる企業の中、特に同じエネルギー業界の企業である E.ON 社が Silver メンバーになっていて、今回のイベントでもコーヒーブースを出しているのを見ると、まだまだ世界との大きな差を感じます。エンドユーザー企業として、クラウドネイティブな技術を使って内製開発を盛り上げ、事業貢献をますます頑張らねばと思った次第です。

エンドユーザーだと製品紹介とかは出来ないので、こういうブースを出すの、良いですよね

セッションなど

色々見ていた中で特に気になったものは以下の2つです!

Journey at the New York Times: Is Sidecar-Less Service Mesh Disappearing Into Infrastructure?

youtu.be

Istio: The Past, Present and Future of the Project and Community

youtu.be

やはり自分のチームが直面している課題がどうしても気になってしまい。ニューヨーク・タイムズ社の Istio サービスメッシュと Ambient 導入に至るまでと、Forbes 社の Gateway API 導入から Istio Ambient 導入までのセッションがとても良かったです。特に Forbes 社はステップバイステップでマニフェストを添えながら細かく紹介してくれ、非常に参考になりました。Forbes 社は GKE を使っているようなので、EKS + Istio という観点で私たちもコミュニティに貢献・・・できるかも・・・?と考えたりしています。

しかし意外だったのは、ニューヨーク・タイムズ社が最初に Cilium でマルチクラスター管理をしており、そこからIstio になったというところでしょうか。まだ当チームはサービスが膨大というわけではないのですが、導入を後悔することがないよう戦略的に進めたいなと身を引き締めています。

他にも現地参加の醍醐味でもある、Project Pavilion にて、Argo メンテナーの方とディスカッションをしてきました!中央管理のクラスターからの Argo CD 利用について色々聞きたいことがあったのですが、私も英語が流暢ではなく・・・そこで大活躍したのが iPad です。言語は違えど、構成を描けば認識が一致する!ので、とてもとても捗りました。これは日本語同士でもそうなので、イメージは大切ですね。

会話する中で、やはり Argo agent を推奨されました。

github.com

ハブ・アンド・スポーク形式を取り、各クラスターにエージェントを配置することで、中央クラスターから Sync 出来るというのは強力な機能だと感じています。まだアルファ機能ということですが、「たくさん使ってフィードバックを!」と言っていただいたので、検証したいなーと考えています。そしてディスカッションした構成については、いつかこのテックブログで紹介できたらと!

現地交流など

KubeCon Day2 では Executive Summit という CNCF Member の方々が呼ばれるイベントに参加しました。恐らく私は Member になって初の KubeCon だから招待されたのかなと思っています。AI/ML/Batch operations, multicluster strategies, observability across the stack, といったクラウドネイティブなテーマについてディスカッションやネットワーキングを行うもので、15:30 から 18:30 までという、3時間ものスペシャルなイベントでした。実際に KubeCon で登壇されている方が多く、「あれ、場違い感がすごいな?」と感じましたが、これもまたチャレンジ!ペアになって自らのチャレンジを話したり、グループディスカッションをしたり、今回で一番エキサイティングなものでした! 特に、あの Kelsey Hightower がスペシャルゲストとしてトークしてくれたのは感動ものでした!

Kelsey といえば、あの Kubernetes the hard way で有名ですが、まさか間近で会えるとは…

github.com

シークレットなイベントだと思うので、内容は伏せますが、生成AI時代にソフトウェアエンジニアがどう生きるか、Kelsey の意見が聞けたのは貴重だったと感じます。

そして Day2 は日本人懇親会もありました! KubeCon+CloudNativeCon 2025 EU 日本交流会@ロンドン - connpass

今回は立食ということで多くの方とお話をする機会がありました。ありがとうございます🙇‍♂️ おかげさまで「え、東京ガスさん、なぜここに!?」と驚かれることも少なくなり、特に KubeCon Japan で Silver Sponsor になったことについて、ありがたい言葉をいただくことも多く・・・これからもクラウドネイティブ技術を使って貢献していきたいなと改めて感じた次第です。そして新しくコミュニティに加わった私たちを暖かく歓迎してくれるコミュニティに感謝しかありません。

おまけ:ロンドン観光🇬🇧

丸一日、観光を楽しむといったことは出来ませんでしたが、時間を見つけて有名な観光スポットを回ってきました!移動時間含めて GPT にコース提案してもらったのですが、とても便利で・・・なんというか頼りきりですね本当に。

まずは鉄板のビッグベン

これもまた鉄板のウェストミンスター寺院

ドラファルガー広場!とナショナル・ギャラリーへ

会社のお土産を買いにハロッズ

冒頭にも書きましたが、本当に天気が良く、いい写真が撮れました📷️ 改めて、行かせてくれた会社とチームの仲間にも感謝です🙇‍♂️

それでは、今回はこのあたりで。最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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