4月15日、海外のテクノロジーメディアArs Technicaが「OpenAI continues naming chaos despite CEO acknowledging the habit」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIの新しいGPT-4.1モデルシリーズに関して、モデルの性能とその名称の混乱について述べられている。
OpenAIは、 GPT-4.1モデルシリーズを発表した。この新しいシリーズは、これまでのGPT-4oモデルを超えるいくつかの重要な改良を示している。
GPT-4.1は、GPT-4oに比べていくつかの重要な分野で優れたパフォーマンスを発揮している。特に、コーディング能力や複雑な指示の処理において、GPT-4oを上回る成果を上げている。この新しいモデルシリーズでは、1百万トークンのコンテキストウィンドウが提供されることで、GPT-4.1は一度に約3,000ページ分のテキストを処理できる能力を持っている。この点では、GoogleのGeminiモデルと同様の能力を提供しており、OpenAIの技術も進化を遂げている。
モデルの名前付けに関する混乱
OpenAIは今回、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、GPT-4.1 nanoといった新しいモデルシリーズを発表したが、その名前付けに関しては依然として混乱が生じている。この混乱について、OpenAIのCEOサム・アルトマンは以前、モデルや製品の名前が複雑になりすぎていることを認めており、今後は統一を目指すと述べていた。にもかかわらず、今回のGPT-4.1シリーズも新たに複数の名前を投入するという結果となった。
OpenAIは、これまでにいくつかのAIモデルを発表しており、それぞれに特徴がある。以下の表は、これまでに登場した主要なモデルとその特徴をまとめたものである。
モデル名 | 発表日 | 特徴 |
---|---|---|
GPT-3 | 2020年6月 | 最初の大規模言語モデル。汎用的なタスクで優れた性能を発揮。 |
GPT-4 | 2023年3月 | より大規模で高精度なモデル。多様なタスクをこなす能力を強化。 |
GPT-4o | 2024年3月 | より低コストで効率的な運用が可能なバージョン。 |
GPT-4.5 Preview | 2025年2月 | 一時的な試作モデルで、パフォーマンスが低いと批判された。 |
GPT-4.1 | 2025年4月 | GPT-4oより優れた性能を示し、低コストで提供される。 |
GPT-4.1 mini | 2025年4月 | より小型でコスト効率の良いバージョン。 |
GPT-4.1 nano | 2025年4月 | さらに小型で、最も低コストで提供されるモデル。 |
特に今回のGPT-4.1はAPI経由でのみ利用可能 であり、ChatGPTのインターフェースでは使用できないバージョンであるにも関わらず、GPT-4の後継のような命名が為されている。これは、開発者が必要に応じて特定のモデルを選択し、コストと性能を考慮して適切なモデルを使用できるようにするための戦略の一環だというが、わかりにくいことこの上ない。
4.5-previewが引退して4.1に??
一方で、OpenAIは、GPT-4.5 PreviewモデルをAPIから退役させることを発表した。このモデルは、2月に登場したばかりであったが、その性能に関しては賛否が分かれていた。GPT-4.5は非常に遅く、コストが高いため、実際の利用には向いていないとされている。そのため、GPT-4.1は、より優れたパフォーマンスを提供し、低コストで運用できる点でGPT-4.5に取って代わる形となった。
GPT-4.1は、価格面でも大きな改善がなされており、GPT-4oに比べて26%のコスト削減が実現されている。具体的には、GPT-4.1は入力トークンあたり2ドル、出力トークンあたり8ドルとなっており、GPT-4.5のAPI価格と比べて非常に安価である。
しかし、名前に関しては、依然として理解しづらい点が残っている。OpenAIは、この混乱を解消するために、 将来的にはGPT-5という名称での統合を目指していると予告しており 、その際にはGPTシリーズとoシリーズのモデルを統一する予定だ。しかし、GPT-4.1の登場は、さらなる混乱を引き起こし、ブランド名の統一という目標からは遠ざかっているように見える。
詳細はOpenAI continues naming chaos despite CEO acknowledging the habitを参照していただきたい。