2月27日、MozillaはFirefoxに新たな「利用規約」を導入すると発表した。
Mozilla Firefoxは2004年11月9日に「Firefox 1.0」として正式リリースされた。したがって、2025年時点ではおよそ20年が経過しているが、これが初の利用規約導入となる。
同社によると、これまではオープンソースライセンスや公開方針を通じてユーザーとの関係を定義してきたが、技術環境が大きく変化したことで、改めて「利用規約」を提示してユーザーの権利や許諾範囲を明確にし、より分かりやすく伝える必要があると判断したという。
この新たな「利用規約」は、Firefoxをインストールまたはダウンロードしたばかりの新規ユーザーに対し、来月以降に提示される見込みだ。既存の利用者に対しては、年内に段階的に適用されるとしている。Mozillaの担当者は、この規約導入によりブラウザ使用時の「権利と許可範囲」をより透明に示すとともに、 Mozilla側の権限を正当化する狙いもあると説明している。
ユーザーがFirefox上で入力した情報を扱う際、必要な範囲でのライセンスがMozilla側に与えられる仕組みとなるが、「これはデータの所有権を奪うものではない」と同社は補足している。
あわせて、プライバシーポリシー(プライバシー通知)の更新も予定されている。AIチャットボットとの連携やクラウドベースの機能強化、Firefoxの「新しいタブ」における広告表示の拡大など、ブラウザの新機能やサービス運用を反映した内容になっているとのことだ。
なお、今回の発表に際し、Mozillaは「実行可能コードバージョンのFirefoxのみを対象とし、ソースコードには適用しない」方針を明示している。そのため、ダウンストリームでのフォーク版などには強制適用されない見込みである。さらに、利用規約やプライバシーポリシーの内容は読みやすく整理されており、専門的な法的文言を多用しないよう配慮しているという。
このように、多くのソフトウェアやオンラインサービス同様、Firefoxにも正式な「利用規約」と「プライバシーポリシー」が備わることになる。従来のオープンソース的なスタンスに比べれば異例にも映るが、業界全体が個人情報の取り扱いを厳格化する中、わかりやすい形で定義することは不可欠との見方もある。
詳細はMozillaによる公式アナウンスを参照していただきたい。