2月18日、Phys.orgが「Is AI already shaking up the labor market? Four trends point to major change」と題した記事を公開した。この記事では、AIによる労働市場の変革に関する四つのトレンドについて詳しく紹介されている。
以下に、その内容を紹介する。
この記事では、ハーバード大学の経済学者David Deming氏とLawrence H. Summers氏らが、AIが労働市場をすでに揺るがしている兆候を示す研究結果を取り上げている。彼らの分析によれば、米国の職業構成比率(occupational churn)は、1990年以降の安定期を経て2019年頃から再び変化し始めているという。その変化にはAIを含む技術投資の増加や、コロナ禍以降の消費行動変化が影響している可能性があるとしている。
以下は、記事で取り上げられた図表である。

記事の主題は、大きく四つのトレンドとしてまとめられている。
- 従来「職業の両極化(job polarization)」と呼ばれていた現象の終焉が見られること
- STEM(科学・技術・工学・数学)分野の職種が近年大きく伸びていること
- 低賃金サービス業の雇用が伸び悩んでいること(AI以外の要因も考えられる)
- 小売業(特に対面販売)の雇用が大きく減少し、EC(電子商取引)へシフトしていること
これらのポイントから、AIはすでに投資や雇用の変化を通じて労働市場に影響を及ぼしていると考えられる。特にEC分野では、早期から需要予測などにAIを導入しており、流通や小売業の雇用動態を大きく変えた要因の一つとされている。
また、今後は知識労働と呼ばれるホワイトカラーの業務にも変化が及ぶ可能性があり、企業の投資や労働者のスキル習得の状況次第では、より急速に職務内容が変化していくとみられる。記事では、AIの進歩が単なる雇用の削減ではなく、仕事の仕方そのものを変革する点に注意が必要であるとも指摘している。
詳細は[Is AI already shaking up the labor market? Four trends point to major change」を参照していただきたい。