3月30日、AngularとWizが共同で統合作業に取り組むことが発表された。
Googleのウェブフレームワークとして知られるAngularだが、実はGoogleにはもう1つのウェブフレームワークである Wiz が存在する。
Google社内で利用されているフレームワークとして、古くから存在は示唆されていたが、Angularとの統合を通じて、ついにその全容が明かされることが期待されている。
ちなみに、現時点でもWiz公式のWebサイトなどは存在しないようだ。Wizについて様々なGooglerが言及している件については、tomoamさんの投稿に詳しい。また、Google Photoが内部的にWizを使用していることは、5年前(2017年)に一度ブログポストにて述べられている。
これまでAngularとWizは異なるアプリケーションセグメントを対象にしてきたが、今回の取り組みで両者が融合し、それぞれの利点を活かすことが期待される。
Wizは、Googleのいくつかの人気製品(例えば、Search、Photos、Paymentsなど)で使用されている内部フレームワークであり、主にパフォーマンス重視のアプリケーション向けに開発されている。一方で、Angularは高いインタラクティビティを持つアプリケーションに焦点を当て、開発者エクスペリエンスと複雑なUIの迅速な提供を重視してきた。
統合イメージ(Angular and Wiz Are Better Togetherより引用)
Wizは、サーバーサイドレンダリング(SSR)を始めとするさまざまなアプローチを通じて、初期ロードのレイテンシーやJavaScriptの量を最適化している。一方で、Angularは開発者エクスペリエンスを重視し、Wizとの融合によって両者の利点を組み合わせることで、パフォーマンスと開発者体験の向上が期待される。
この取り組みにより、Angular開発者は開発者エクスペリエンスとパフォーマンスの間で選択する必要がなくなるだろう。両フレームワークの連携により、ウェブアプリケーションの開発とパフォーマンスの向上に新たな展望が広がることになる。
今後の展望としては、AngularとWizの機能を段階的に統合していくことが計画されており、それに伴ってWizの機能がAngularを通じてオープンソース化される予定だ。この取り組みにより、コミュニティがロードマップに影響を与えることができ、両フレームワークの改善が進むことが期待される。
詳細はAngular and Wiz Are Better Togetherを参照してほしい。