ChatGPTだけではない、仕事の効率をアップさせるAIツール10選

メールの文章の提案から、スライドショーの自動作成まで、多彩なオフィスワークを瞬時にこなすAIツールは、仕事の効率アップに役立つ頼もしい相棒だ。

メールの文章の提案から、スライドショーの自動作成まで、多彩なオフィスワークを瞬時にこなすAIツールは、仕事の効率アップに役立つ頼もしい相棒だ。

Guillaume/Getty Images

  • ChatGPTは大いに話題を呼んでいるが、仕事の効率化を助けてくれる人工知能(AI)ツールはそれだけではない。
  • 生産性を上げるのに役立つAIベースのアプリやブラウザ拡張機能は、他にも数多く存在する。
  • スライドショーの自動作成からメールの文面の提案まで、あらゆる業務に役立つ10のツールを紹介しよう。

1. 「Tome」プレゼン用のスライド作成アプリ

仕事でPowerPointファイルをよく作成する人なら、このTomeというアプリで、作業の高速化が図れるはずだ。

このアプリを使えば、ものの数秒で、ドキュメントをプレゼン用のスライドに変換できる。さらに、3Dレンダリングやライブコンテンツ、動画のナレーションなど、プレゼンテーションの完成度を上げるオプションも複数用意されている。

2. 「Fireflies.ai」会議の書き起こしに特化したメモツール

ミーティングに出席すると、同時進行でメモを取らなければならず、話の内容に集中できない、と悩んでいる人には、AIを使ったメモツールが助けになるだろう。各種あるが、「Fireflies.ai」もそのひとつだ。

Google Chromeの拡張機能であるFireflies.aiは、個別のミーティングに招待する形、あるいはカレンダー上にあるビデオ会議の予定に自動的に参加する形のいずれにも設定できる。Zoom、Google Meet、Webexなどの複数のビデオ会議プラットフォームに対応しており、ミーティングを収録して、わずか数分で書き起こしてくれる。あとは、この文字起こしを検索して、アクションアイテムやタスク、質問などを抜き出していけばいい。

また、コメントやピン、リアクションなどの機能を使って、書き起こしについて同僚とやりとりすることもできる。会議内容のメモを、AsanaやSlack、Notionなどのアプリで共有する機能もある。

さらにFirefliesは、ミーティングで交わされた会話の分析も可能だ。これにより、それぞれの参加者がどれだけ長く話していたか、あるいは、いくつ質問をしたか、といった事柄を数値で把握できる。

3. 「Remail」メールの文案作成ツール

職種や働く業界を問わず、メールでのやりとりが仕事の一部を占めている人は多いはずだ。

受信トレイの管理は、時間ばかり取られる退屈な作業になりかねないが、Remailなどのツールを使えば、メールをより効率良くさばけるようになるだろう。

Remailは、Gmailに対応したChrome拡張機能だ。届いたメールに対して、肯定と否定、どちらの返答をするかを指定すると、受信者に代わって、やりとり全体の文体やトーンを考慮したメールの文案を書いてくれる。また、こちらが言いたいことの要点を短いフレーズで指定すると、それに基づいて返信の全文を生成してくれるカスタマイズ機能もある。

どんな内容を求めたとしても、Remailは複数の文案を考えてくれるので、ユーザーはその中から選べばいい。Remailウェブサイトによると、メタ(Meta)やグーグル(Google)、ネットフリックス(Netflix)といった企業の従業員も、このサービスを利用しているという。

4. 「Wordtune Read」テキストの要約ツール

長々としたリポートの全文に目を通していると、あっという間に時間が経ってしまう。こうした時は、Wordtune ReadのようなAIリーダーを使えば、より速く要点にたどり着くことができるだろう。

Google Chromeの拡張機能であるWordtune Readは、PDFをアップロードするか、URLをペーストすると、そのテキストから最も重要性が高い情報をハイライトし、一節ごとに、元の文章のあとに短い要約文を表示してくれる。学術論文やビジネスリポート、ブログ投稿など、多くのテキストで使えるツールだ。

5. 「Numerous.ai」スプレッドシート作成ツール

業務の中で大きなデータセットを扱っていると、スプレッドシートに対して愛憎の入り混じった感情を抱くこともあるだろう。その場合は、Numerous.ai(Google SheetsとMicrosoft Excelに対応)などのツールが助けになる可能性がある。

Numerous.aiは、大きなデータセットから重要度の高い情報を手早く抽出し、項目をソートしてカテゴライズしてくれる。

また、数式でやりたいことを、自分なりの表現で入力すると、作業中のスプレッドシートに、目的にかなった数式を生成してくれる機能もある。また、セルの書式設定や、決まり切った計算などの反復作業を、ユーザーの代わりに行うよう学習させることもできる。

6. 「Brain.fm」集中力の維持を促す音楽ツール

タスクに集中するのは、時として難しい。在宅勤務であれば、なおさらだ。そこで、ユーザーがたゆまずタスクに取り組めるよう後押ししてくれるのが、AI生成系の音楽ツールBrain.fmだ。

ブラウザベースのウェブアプリのBrain.fmは、開発元企業によると「リスナーの集中やリラックス、睡眠を助ける」よう設計されているという。

アンビエント系からエレクトロニック系まで、幅広いタイプの音楽が用意されている。そのどれもが、ユーザーが集中力を維持し続ける「ディープワーク」状態に入るのを助けるべく、科学者と作曲家のチームによってデザインされている。

このツールを1週間試してみたInsiderのアーロン・モック(Aaron Mok)記者によると、メールに返事を書くなど、単調なタスクに取りかかるモチベーションを高めてくれる効果が実感できたという。また、頭を集中状態に素早く切り替えるのに役立ったとのことだ。

7. 「Grammarly」文章の校正とブラッシュアップを担うアシスタント

業界を問わず、あらゆる仕事には何らかの文章を書かなければならない場面があるだろう。AIを活用した文章作成アシスタントのGrammarlyは、原稿の誤りのチェックを補助してくれるツールだ。

ブラウザ拡張機能のGrammarlyは、ユーザーが全世界で3000万人を超え、5万以上のチームに活用されている。言葉の選択や文章の構成についての提案、盗用のチェック、指定された形式に従った引用情報の生成、提出前のリポートのチェックといった機能を持つ。また、書かれた文章のトーンの評価も可能だ。つまり、メールやプレスリリース、社内メモを書く際に、書き手とは異なる視点から、いわば「第2の目」となって検証してくれるツールだ。

起業家や小規模企業のオーナーを顧客に持つコンサルタントのデブ・リー(Deb Lee)はGrammarlyに関して、「自動でミスや誤字をチェックすることにかけては、非常に優秀だ」と、高く評価するコメントをInsiderに語っている。

8. 「ContactOut」連絡先情報の検索

見込み客などのうちアプローチすべき相手の連絡先情報を見つける作業は、時間がかかりがちだ。ContactOutを使えば、相手方の情報を探るのに使う時間を短縮できる。

世界で140万人が使っているこのChrome拡張機能は、インターネットからデータを収集し、LinkedIn Standard、Sales Navigator、Recruiterに掲載されているプロフェッショナルについて、現在使用されているメールアドレスや電話番号を探し出す。また、これらの連絡先を集めたリストを作成して、それをもとに、メールによるオリジナルの販促キャンペーンを実行することも可能だ。これらの機能を組み合わせれば、新規顧客獲得のプロセスをスピードアップできるだろう。

これに加えて、SalesforceやHubspotといった顧客関係管理(CRM)ソフトウェアとの統合機能もある。ContactOutの開発元によると、マイクロソフト、グーグル、PwCなどのフォーチュン500企業のリクルーターや営業担当者が、このツールを使っているという。

9. 「Todoist」ToDoリストを作成

ペンと紙を使ってToDoリストを手書きするのは、テクノロジーに精通した働き手には不向きな方法だ。プラグインツールのTodoistは、より良い選択肢となる可能性がある。

このChrome拡張機能は、80万人以上のユーザーによって、1日のスケジュール作成やタスク管理といった用途で使われている。ユーザーは、自身のリストにタスクとして、さまざまなウェブサイトを追加できる。たとえば、読みたいブログ記事をリーディングリストに追加したり、商品をウィッシュリストに保存したり、といった使い方が可能だ。

これにより、ユーザーは追加、あるいは完了したタスクを一カ所でまとめて管理でき、複数プラットフォームを切り替えて使うことで生じるワークフローの停滞を防ぐことができる。

Todoistにはデスクトップ版とモバイル版のアプリがあり、共同プロジェクトでのToDoリスト活用や、進捗状況のトラッキング、リマインダー通知などのオプション機能も用意されている。また、Google Drive、Slack、Dropboxをはじめ、60以上のデスクトップおよびモバイル版アプリと連動させて使うことが可能だ。

10. 「BlockSite」集中を妨げるウェブサイトへのアクセスをブロック

仕事時間中に、ついソーシャルメディアをスクロールしたり、ニュース記事を読みたくなったりすることはないだろうか。その場合はこのプラグイン、BlockSiteが、気が散るのを防ぐ対策になるかもしれない。

BlockSiteは、100万人以上がダウンロードした人気のChrome拡張機能だ。これを使えば、一定の時間、集中を妨げるウェブサイトへのアクセスをブロックできる。そのあいだユーザーは、急を要するタスクに集中できるわけだ。

それでも、どうしてもブロックしているサイトを見たくなってしまうという人は、パスワードでこれらのサイトをロックする手もある。これなら、アクセスへのハードルはさらに高くなるはずだ。

このブラウザ拡張機能には、「フォーカスモード」も用意されている。こちらは、一定時間を特定のタスクに割り当てる機能だ。また、ユーザーがそれぞれのウェブサイトにどれだけの時間を費やしたかを表示するデータ分析機能もある。

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