11月3日、9to5GoogleのBen Schoonが「ChatGPT has hit roughly 20% of Google Search volume, OpenAI says」と題した記事を公開した。OpenAIのプレスイベントで明かされた数字によれば、ChatGPTの検索クエリ量はすでにGoogleの約20%(5分の1)に達しているという。長年、Googleへの唯一の対抗馬であるBingでさえシェアは一桁台にとどまってきた検索市場において、わずか2年でその水準を大きく上回る規模に育ったことになる。
ChatGPTの検索量、Googleの「5分の1」に到達
OpenAIが主催したプレスイベントで、ChatGPTのコンシューマー製品責任者であるAdam Fryが、ChatGPTの検索クエリ量が「Googleのクエリ量のおおよそ5分の1(20%)」に達したと明言した。
このイベントはChatGPT検索機能の本格展開から約2年が経過したタイミングで開催されたものだ。ChatGPTが検索機能を一般公開したのは2024年10月末のことであり、今回の発表はその成長の速さを改めて印象づけるものとなった。
これがどれほどの数字かは、Googleのポジションを振り返ると分かりやすい。長年にわたり、検索市場においてGoogleは圧倒的な首位を維持してきた。唯一の対抗馬であるMicrosoftのBingでさえ、シェアは常に一桁台にとどまっている。そのGoogleに対して、ChatGPTが2割規模に迫ったというのが今回の発表の骨子だ。
「検索」の定義には曖昧さも
ただし、この数字には注意が必要だ。
まず、比較基準となるGoogleの検索ボリュームの出典は明かされていない。また、OpenAI側が「検索」としてカウントする基準は、ユーザーがプロンプトを入力し、その結果としてウェブ検索が発生したときに限定されている。Fryの言葉を借りれば「質問してウェブを検索するたびに、それが1回の検索だ」という定義だ。
つまり、単なるChatGPTとの会話や、ローカルな知識ベースへの問い合わせはカウントされない。この定義の取り方次第で数字は大きく変わりうるため、「20%」という数字は額面通りに受け取るには慎重さが必要である。
Googleへの影響と広告収益の問題
それでも、これはGoogleが検索市場で直面してきた最大の競合であることは確かだ。Googleも危機感を持っており、AI機能の検索への統合を急速に拡大している。具体的には、検索結果の上部にAIが生成した要約を表示する「AI Overview」や、検索体験をまるごと会話型AIで置き換える「AI Mode」といった機能がその代表例だ。
しかし、Googleは先週の決算発表で、このAI推進によって「収益化の低下(lower monetization)」が生じていると認めている。ユーザーがAI生成の回答で完結し、広告が表示される検索結果ページに到達しなくなるためだ。AIが回答を直接提示するほど、従来型の検索広告モデルとの相性は悪くなるという構造的なジレンマを、Googleは抱えている。
OpenAIもこの課題と無縁ではない。Fryは今回のイベントで「ほとんどのユーザーはChatGPT内の広告を気にしていないようだ」と述べ、「実際にはもっと広告を出せる」とも発言している。検索シェア拡大と収益化の両立は、OpenAIにとっても今後の重要課題となる。
パーソナライズへの手応え
Fryはこのほか、ユーザーがChatGPTのパーソナライズ機能と文脈理解を「本当に気に入っている」とも述べた。単なるキーワード検索ではなく、過去の会話履歴やユーザーの好みを踏まえた回答ができる点が、従来型の検索エンジンとの差別化軸になっているとの見方だ。
ChatGPTが検索分野に本格参入したのは約2年前のことだ。その後、わずか2年でBingを上回りGoogleの5分の1規模に達したという事実は、AI検索が「試験的な機能」から「本格的な代替手段」へと移行しつつあることを示している。同時に、収益モデルの確立という次のフェーズへの移行を、OpenAIとGoogle双方が迫られていることも浮き彫りにした発表だった。
詳細はChatGPT has hit roughly 20% of Google Search volume, OpenAI saysを参照していただきたい。