10月30日、CNBCが「Foxconn hopes to own 50% of the global AI server market within a couple years」と題した記事を公開した。iPhoneの組立受託で知られるFoxconnが、今やグローバルAIサーバー市場の**約40%**を握る巨人へと変貌しつつある——そのFoxconnが、さらに「50%」という支配的なシェアを数年内に狙うと宣言した。
現在40%、目標は50%
台湾の電子機器大手・鴻海精密工業(Hon Hai Technology Group、通称Foxconn)の劉揚偉(Young Liu)会長がCNBCのインタビューに応じ、AIサーバー市場における同社の戦略を語った。
劉会長によると、FoxconnのグローバルAIサーバー市場シェアは現在**約40%。来年には約45%、さらに数年内に50%**への到達を見込んでいる。
「50%まで成長できると思う」と劉会長は述べた。
AIサーバー市場では、NVIDIAのGPUを搭載したサーバーの製造・組み立てをめぐってFoxconn(鴻海)、Quanta、Wistronなどの台湾系ODMが激しく競合しており、SupermicroもNVIDIA製品の主要パートナーとして存在感を持つ。こうした競合ひしめく環境のなかで、40%から50%へのシェア拡大が容易でないことは想像に難くない。製造キャパシティの確保、サプライチェーンの上流統合、顧客の囲い込みといった複合的な施策を同時に進める必要があるためだ。
Foxconnはもともと、Appleのスマートフォン組み立て受託メーカーとして広く知られている。しかし今や同社はAIインフラを主要な成長エンジンと位置づけており、劉会長はAIインフラが**3〜5年以内に売上の60〜65%**を占めると予測している(エッジAIデバイス——クラウドに頼らずローカルのハードウェア上で直接AIや機械学習の推論・処理を行う端末——は除く)。
需要の強さを裏付けるように、Foxconnの生産能力は少なくとも今後1年半は予約済みの状態だという。現時点での需要の大半はAIモデル開発者やクラウドサービスプロバイダーからのものであり、政府や一般企業はまだAIインフラを本格的に活用し始めていない段階だと劉会長は説明した。つまり、需要の「第二波」はまだ来ていない。
米国での製造拡大
Foxconnは米国内での製造拠点拡大も進める方針だ。劉会長は「サプライチェーンのより上流に進出する」と述べ、幅広い製造拠点を持つことで需要増への対応速度を上げる狙いを示した。
ただし、米国での製造コストは高いため、当初はAIサーバーラックやデータセンター機器といった利益率の高い製品に絞って展開する。製造規模が拡大すれば、コストの低減にもつながるとしている。
同社が目指す事業範囲は、サーバーやラック単体にとどまらず、データセンター全体からコンピューティングサービスまで、AIインフラのサプライチェーン全体をカバーする形だ。Foxconnはすでにサーバーの設計・組み立てから冷却システム、ラック統合までの工程を手掛けており、「垂直統合」(原材料調達から最終製品の出荷まで自社グループで完結させること)のさらなる深化を目指している段階にある。
「過剰投資は会社を潰す」——リスク管理の姿勢
成長への期待が高まる一方で、劉会長はリスク管理の重要性も強調した。
「過剰投資は会社を潰す」と劉会長は言い切った。
Foxconnは年間30億〜50億ドルをAI関連に投資する計画を持つが、垂直統合の範囲次第ではこれを超える可能性もあるという。この規模は、EMS(電子機器受託製造)企業としては異例の水準であり、製造受託から高付加価値のインフラ事業者へと転換しようとする同社の本気度を示している。
主要顧客がAI投資を絞った場合の対応について問われると、「一顧客の需要減は、他の成長で補える」と答えた。ただし、業界全体が低迷する局面となれば、Foxconn単体の問題にとどまらず、AIサプライチェーン全体への影響は避けられないとも述べた。特定顧客への依存を分散しながら成長を続けるという姿勢は、スマートフォン事業でApple依存を長年指摘されてきたFoxconnが、AIシフトの過程で意図的に変えようとしている点でもある。
AIサーバー需要の「第一波」を担ってきたFoxconnが、次のフェーズとして政府・企業需要の取り込みと米国製造の強化に動いている構図は、AIインフラの供給側を理解するうえで押さえておきたい動きだ。
詳細はFoxconn hopes to own 50% of the global AI server market within a couple yearsを参照していただきたい。