10月30日、BleepingComputerが「OpenAI doubles ChatGPT Pro usage limits after backlash over planned 50% cut」と題した記事を公開した。月額$200を支払っているにもかかわらず、価格は据え置きのまま使える量だけ減らされる——そんな理不尽な方針をOpenAIが打ち出し、ユーザーの強い反発を受けて完全撤回した経緯を詳しく伝えている。単なるプラン変更の話にとどまらず、SaaS企業が「実質的な値上げ」をどう行おうとし、なぜ失敗したかを示す事例として注目に値する。
削減を撤回し、倍増へ方針転換
OpenAIは、月額$200の「Pro 200」プランについて、10月29日以降に利用上限を削減する計画を進めていた。価格は据え置きのまま、利用できる量だけ減らすというものだ。ユーザーからは当然反発の声が上がり、OpenAIは今回この決定を完全に覆した。
XでChatGPTおよびCodexの対外的な顔を務めるTibo(@thsottiaux)が発表した内容によれば、Pro 100 / Pro 200 / Pro 500の全ティア、およびBusiness Premiumを対象に、利用上限を即日2倍に引き上げたという。
「We are doubling all usage limits for all Pro 100/200/500 tiers and Business Premium, effective today」
— Tibo、X上での発表より
さらに同氏は「皆さんのフィードバックを受けて、Pro 200の利用制限削減は行わないことにしました。Work と Codex の利用量はこれまでと同じです」とも述べている。
対象となる機能:WorkとCodex
今回の変更が直接影響するのは、ChatGPT WorkとCodexだ。これらは対象サブスクリプション下で利用枠を共有する構造になっており、利用上限が増えることでより多くのタスクをこなせるようになる。
なお、OpenAIは各プランの具体的な数値(何リクエスト分、何時間分など)は公開していない。ユーザーとしては「倍になった」という事実は把握できるが、絶対値は不明のままだ。
Dotsの利用枠も独立を維持
OpenAIは今回あわせて、常時起動型AIアシスタント「Dots」の利用枠を引き続き独立させることも明言した。
「Dotsの拡張された利用制限は引き続き提供し、Dotの利用量はデフォルトの利用枠とは別に計上される」と説明している。DotsはOpenAIが2025年に発表した常時稼働型のAIエージェントで、ユーザーのデバイス上でバックグラウンド動作しながらコンテキストを保持し続けるという設計が特徴だ。通常のChatGPT利用とは別枠で管理されることで、ヘビーユーザーが通常の会話や作業で不用意に枠を使い切るリスクを抑える仕組みになっている。今回の方針変更でも、このDotsの独立枠は削減対象から外れており、引き続き別建てで提供される。
「価格据え置きで制限削減」という手法への反発
今回の一連の経緯で注目すべきは、OpenAIが「価格変更なし」を前提に利用上限だけを削ろうとした点だ。SaaSにおいてこの手法は、実質的な値上げとして受け取られやすく、ユーザーの不満が可視化されやすい。月額$200という決して安くないプランを契約しているユーザーにとって、同じ料金で受けられる価値が黙って削られることへの抵抗感は強く、今回はその声が方針を実際に動かした事例となった。
OpenAIはここ最近、プランの多層化を積極的に進めている。月額$100の「Pro 100」から$500の「Pro 500」まで複数のティアを展開しており、価格・機能・利用枠の組み合わせが複雑化している。今後もプラン戦略の変更が繰り返される可能性は高く、契約内容の変化には注意が必要だ。
詳細はOpenAI doubles ChatGPT Pro usage limits after backlash over planned 50% cutを参照していただきたい。