10月24日、Lifehackerが「I Tested ChatGPT's New 'Slides' Tool, and Here's How It Compares to Gemini」と題した記事を公開した。ChatGPTの新機能「Slides」を実際に試し、GeminiとGoogle Slidesの組み合わせと比較した結果は、やや逆説的な結論を導いている。デザイン・レイアウトはGemini側が上回り、情報の正確さと画像引用はChatGPT側が上回るという形で、それぞれに明確な優劣がある。ただし総合評価としては、現時点では月額19.99ドルのGemini+Google Slidesの組み合わせの方が実用的という判断だ。
ChatGPT Slidesとは
OpenAIは、ChatGPT内でオフィス系機能を完結させる方針を進めている。すでにワードプロセッサ機能「Pages」が提供されており、スプレッドシートも開発中だ。そこに加わったのが、PowerPoint形式のスライドを生成できる「ChatGPT Slides」である。
ただし現時点では、月額200ドルのProプランが必要。無料プランや月額20ドルのPlusプランのユーザーも、チャット内でPowerPointファイルの生成・ダウンロード自体は可能だが、機能は限定的で、コラボレーションや直接編集はできない。
プランごとの実力差
記事では「iPhone Duo(Appleの折りたたみスマートフォン)」をテーマに、各プランで同条件のスライド生成を試している。
Plusプラン(月額20ドル)の場合、情報の精度はそれなりに確保されており、公式写真の挿入も(明示的に依頼すれば)可能だった。ただし、レイアウトは「急いでテンプレートから作った」程度のクオリティ。個別スライドの要素を直接選択・編集することはできず、プロンプト経由での修正しか受け付けない。
Proプラン(月額200ドル)のChatGPT Slidesでは、専用ワークスペースが用意されており、バッテリー持続時間のグラフや公式写真が自動で挿入されるなど、より情報量の多いスライドが生成された。ただし、Slidesスペース内で一からプロンプトを打ち込んでスライドを作るのは「かなり面倒」と評されており、バグも散見された。むしろ通常のチャットで情報を整理してからスライドに変換する方が使い勝手がよいという結論だ。
なお、ChatGPTのプラン体系を整理すると、無料プラン・Plusプラン(月額20ドル)・Proプラン(月額200ドル)の3段階となっており、ChatGPT Slidesの専用ワークスペースはProプラン限定の機能に位置づけられている。
どのプランでも共通する弱点
プランにかかわらず、生成されたスライドには共通の課題がある。情報の流れが不自然で、人間が設計したというよりアルゴリズムが並べたような印象が拭えない。個別要素のリサイズや位置調整、プロンプトによる修正(「猫の画像を入れて」「中央揃えにして」など)は可能だが、全体的な「語り口」の洗練度が低い。
Gemini+Google Slidesとの比較が核心
記事の最も読みごたえある部分が、Google AI Pro(月額19.99ドル)でGeminiをGoogle Slides内から呼び出して同じ課題を試した比較だ。
Geminiの挙動でまず目を引いたのが、対話的な質問機能。スライドの視覚スタイル、対象オーディエンス、強調すべき情報を事前に確認してから生成を開始した。ChatGPT Slidesにはこのステップがなく、プロンプトに全情報を手動で詰め込む必要がある。
生成結果のクオリティについては明確な差があった。
| 比較軸 | ChatGPT Slides(Pro) | Gemini+Google Slides |
|---|---|---|
| レイアウト・デザイン | 機械的な印象 | 人間が作ったような自然な仕上がり |
| 事実の正確さ | 公式画像を正確に引用 | 最大輝度のスペックを誤記 |
| 画像品質 | Apple公式画像を取得 | 2021年頃のiPhoneを2台並べたような誤った「iPhone Duo」画像を生成 |
| スライド個別への編集指示 | 可能 | 不可(全体プロンプトのみ) |
| コラボレーション | あり | Google Slidesの既存機能として成熟 |
レイアウトとデザイン感度はGemini側が上、情報の正確さと画像引用はChatGPT側が上、という結果だ。
記事の結論は明快で、現時点ではGemini+Google Slidesの組み合わせの方が優れているとのことだ。Google Slidesは10年以上の歴史を持つ成熟したツールであり、月額19.99ドルという価格も現実的だ。ChatGPT Slidesは、すでにProプランを契約しているユーザーにとっては「あって損はない」機能だが、それだけのためにプランを乗り換える理由にはならないと評価されている。なお、ChatGPT SlidesがPlusプランや無料プランへ展開されるかどうかについて、元記事は言及していない。
詳細はI Tested ChatGPT's New 'Slides' Tool, and Here's How It Compares to Geminiを参照していただきたい。