10月22日、opensourceprojects.devが「Real AI engineering interview questions from 35 companies, organized」と題した記事を公開した。この記事では、35社のAIエンジニアリング面接で実際に出た質問をまとめたGitHubリポジトリについて詳しく紹介されている。
「LeetCodeを解いても意味がない」——AI面接の実態
AIエンジニア向けの求人票には「LLM推論」「エージェント」「RAG」といった用語が並ぶが、実際の面接で何が聞かれるかはほとんど公開されていない。LeetCode(アルゴリズム練習サイト)をどれだけこなしても、Anthropicがトランスフォーマーの内部構造を問うのか、GroqがGPUサービングに重点を置くのかは分からない。
この空白を埋めようとするのが、GitHubリポジトリ「ai-engineering-interview-questions-company-wise」だ。35社のAIエンジニアリング面接で実際に出た質問を、会社別に整理して収録している。メンテナンスはAI・機械学習教育プログラムのOutcome Schoolが担っており、随時更新を続けるとしている。
収録企業と対象ロールの幅広さ
このリポジトリの最大の特徴は、企業をカテゴリ別に分類している点だ。単なる五十音順や掲載順ではなく、業界構造を反映した区分けになっている。
- フロンティアラボ:Anthropic、OpenAI、Google DeepMind、Meta、xAI、Mistral、Cohere、DeepSeek、Moonshot AI、Zhipu AI、Alibaba(Qwen)、Sarvam AI
- ビッグテックAI部門:Microsoft、Amazon、Apple、NVIDIA、Tesla
- コンシューマースケールML企業:Uber、Netflix、LinkedIn、Airbnb、Pinterest、Spotify
- AIインフラ企業:Databricks、Groq、Together AI、Hugging Face、Scale AI、Perplexity
- AIネイティブプロダクト企業:Cursor、Cognition、Sierra、Harvey、Glean、Character.AI、ElevenLabs、Abridge、Figure AI、Waymo
- エンタープライズAI:Palantir
この分類は単なる整理にとどまらず、「何を重点的に勉強すべきか」の指針になる。フロンティアラボならLLMの内部構造やアライメント、GroqやTogether AIのようなインフラ企業なら推論性能やGPU効率が問われる可能性が高い——そういう読み方ができる。
対象ロールも幅広い。AI Engineer、LLM Engineer、Applied Scientist、LLMOps Engineerといった一般的な職種に加え、Forward Deployed Engineer(顧客先に常駐してAIシステムを実装・運用するロール)やLLM Inference and Performance Engineerといった、求人票でもあまり見かけない職種名まで15種類が列挙されている。これだけで、今のAI業界の採用ポジションの地図として機能する。
出題トピックの構成
会社別の質問に入る前に、複数社横断で頻出するトピックがまとめられており、以下の領域に分かれている。
- LLMの内部構造とアーキテクチャ
- 推論とGPU性能
- RAG(検索拡張生成)と検索
- エージェントとツール利用
- ファインチューニングとアライメント
- 評価とオブザーバビリティ(システムの可観測性)
- 安全性とセキュリティ
- マルチモーダルと音声AI
- AIシステム設計
- コーディングとデータ構造
特に「推論とGPU性能」領域では、KVキャッシュ(推論時にKey-Valueを再計算せずキャッシュして速度を上げる手法)の仕組みや、バッチ処理戦略、量子化といったトピックが横断的に問われる傾向がある。GroqやTogether AIのようなインフラ企業では、これらが面接の中心になりうる。
一方、「LLMの内部構造とアーキテクチャ」領域では、アテンション機構の計算複雑性、位置エンコーディングの種類と特性、MoE(Mixture of Experts)構成の利点と課題といった踏み込んだ問いが実際に出ているという。フロンティアラボを志望する場合、論文レベルの理解が求められる場面もあるとリポジトリは示唆している。
これらは「どこを受けるにしても押さえておくべき基礎」として機能する。特定の面接が決まっている場合は会社別セクションに直行し、弱点補強が目的なら横断トピックから入る——という2通りの使い方ができる設計だ。
注意点:すべての問題に解答があるわけではない
READMEは「回答付きの完全な解答集ではない」と明示している。回答が用意されている問題にはリンクが張られているが、すべてではない。解答が欲しい場合はコンパニオンリポジトリ「AI Engineering Interview Questions and Answers」も併用することが推奨されている。
インストール不要で、使い方はリポジトリを開いて読むだけだ。更新を追いたければStarまたはWatchしておくとよい。
本リポジトリはAIに関する基礎知識を一から教えるものではなく、アテンション機構やKVキャッシュの仕組みは別途学ぶ必要がある。あくまで「何を勉強すべきか」と「各社の水準」を把握するための出発点として使うのが適切だ。
詳細はReal AI engineering interview questions from 35 companies, organizedを参照していただきたい。