10月17日、Futurismが「Investors Disturbed by Anthropic's Financial Data」と題した記事を公開した。AnthropicのIPO前に開示された財務データが投資家の間で失望を招き、2兆ドル評価額への疑念が広がっている。
四半期売上45%増——それでも「足りない」
Wall Street Journalの報道によると、AnthropicはプライベートIPO前説明の場で、直近四半期の売上が45%増の約17億ドルに達したと投資家に伝えた。数字だけ見れば力強い成長に映る。
しかし投資家がすぐさま指摘したのは、この数字では2兆ドルの評価額をまったく正当化できないという点だ。Business Insiderの分析によれば、Q3の売上は紙の上では印象的に見えても、2兆ドル($2,000,000,000,000)という評価額を支えるのに必要な成長ペースには遠く及ばない。
市場調査ブログ「Geiger Capital」のSNSアカウントはこう投稿した。
「全然足りない。終わった。」
AIリサーチャーで批評家のGary Marcusも、「Anthropicが評価額を正当化するには2028年までに約1900億〜2000億ドルの売上が必要」と報じた見出しのスクリーンショットとともにこう書いた。
「これ覚えてる人いる? 全然届かないだろ。」
リークされたIPO申請書が示す現実
売上発表後、Reutersは一部の投資家が評価額を約1.5兆ドルへの引き下げを検討し始めたと報じた。当初の2兆ドル目標との差は5000億ドルに上る。
さらに問題を深刻にしているのが、9月下旬にリークされたIPO申請書の内容だ。The Vergeが報じたこの文書によると、Anthropicの2025年通年の売上は46億ドルだったのに対し、損失は420億ドルに達していた。
※編集部の考察:売上の約9倍に相当するこの損失額は一見異常に大きく見える。元記事はIPO申請書からの数字をそのまま引用しているが、この損失には将来のインフラ投資に関する契約上のコミットメントや非現金費用(株式報酬・償却など)が含まれている可能性があり、単純な営業損失と同列に解釈するには注意が必要だ。
その上で、Anthropicは今後10年間で5180億ドルのAIインフラ投資を約束している——Reutersが報じたこの数字が、投資家の懸念を一層強めている。
「黒字」は特殊な会計処理の上に成立
Anthropicは約1カ月前、投資家向けに「黒字化を達成した」と説明していた。ただしそれは、Futurismが報じた通り、研究開発費など主要なコストを除外した独自の会計手法を使った場合の話だ。一般的なGAAP(会計原則)ベースでは赤字のままであり、この点はすでに業界内で広く知られている。
AIビルドアウトの採算性という業界全体の問題
Anthropicの財務問題は同社単体の話にとどまらない。AI開発インフラへの膨大な投資が経済的に見合うかどうかは、テック業界全体が直面している問いだ。Anthropicが「爆発的な売上成長」を実現できるかどうかは、AI産業の持続可能性を測る一つの試金石になりつつある。
IPOの熱狂が高まる中で、財務の実態が投資家の期待に追いつけるか——Anthropicに残された時間は多くない。
詳細はInvestors Disturbed by Anthropic's Financial Dataを参照していただきたい。