10月16日、TechCentral.ieが「Anthropic's revenue rises 45% in the third quarter to $16.8bn」と題した記事を公開した。AnthropicがIPO(株式公開)を見据えた投資家向け説明会で開示した2026年第3四半期の財務実績について詳しく紹介されている。
四半期売上$16.8bn(168億ドル)、前四半期比45%増
Financial Times、Reuters、Bloombergの報道によれば、AnthropicはサンフランシスコでIPOを見据えた投資家向け説明会を開催し、2026年第3四半期の売上が$16.8bn(168億ドル、約2.5兆円)に達したことを明らかにした。
四半期ごとの推移を見ると、成長のペースは著しい。
- 第1四半期:$4.7bn(約47億ドル)
- 第2四半期:$11.6bn(約116億ドル)
- 第3四半期:$16.8bn(約168億ドル、前四半期比+45%)
なお、Anthropic自身はこれらの数字についての公式コメントを拒否している。数字はいずれも説明会に出席した投資家や関係者からの情報をもとに各メディアが報道したものであり、Anthropicが独自に公表した財務資料ではない点に留意が必要だ。
黒字転換を主張、ただし「調整後」の但し書きに注意
財務面では、Anthropicは「調整後利益(adjusted profit)」の黒字化と、プラスのキャッシュフローを達成したと説明した。ただし、利益の具体的な規模や「調整」の算出方法については詳細が開示されていない。
「調整後」という表現は、企業が株式報酬・減価償却・一部の負債評価損といったコストを除外して算出する指標であり、GAAP(一般に公正妥当と認められた会計原則)ベースの純利益とは大きく乖離する場合がある。今回の黒字転換の主張も、こうした「調整後」の数字に基づくものであり、GAAP基準での損益状況は明らかにされていない。
説明会にはCEOのDario AmodeiとCFOのKrishna Raoが出席しており、持続的な収益性の見通しについて楽観的な見解を示したと報じられている。
IPOの時期はいまだ流動的
今回の説明会はIPOに向けたロードショーの一環として位置づけられている。当初は10月にIPOが予定されていたが、タイミングはすでに複数回変更されてきた経緯がある。現時点の見通しでは、マーケティング活動が11月9日ごろに開始され、11月26日より前に取引が始まる可能性があるとされているが、具体的な条件は今後も変わりうる。
一部の投資家はAnthropicの企業価値を最大$2兆(約300兆円、1ドル≒150円換算)と見積もっており、実現すればSpaceXのIPOと並ぶ規模の案件になりうる。
背景:Anthropicとは何者か
AnthropicはClaudeシリーズを展開するAI企業で、OpenAIの元共同創業者らを含むメンバーが2021年に設立した。現在はClaude 3.5シリーズを主力製品として企業向けAPIやClaude.aiのサブスクリプションサービスを展開している。GoogleやAmazonから累計数十億ドル規模の出資を受けており、ChatGPTを擁するOpenAIと並ぶ主要プレイヤーとして位置づけられている。
AI企業の中では比較的「安全性重視」を標榜しており、Constitutional AIと呼ばれる独自の安全性手法を研究・公開している点でも知られる。
売上の急拡大と黒字転換の主張がどこまで投資家に受け入れられるかは、IPOの蓋を開けるまでわからない。「調整後」という但し書きの扱いが、市場の評価を左右する論点になりそうだ。
詳細はAnthropic's revenue rises 45% in the third quarter to $16.8bnを参照していただきたい。