10月15日、Tech Startups(techstartups.com)が「Meta launches Muse Spark Open, an 816B-parameter AI model optimized for Apple's M5 Ultra Macs」と題した記事を公開した。Metaが816Bパラメータのオープンウェイトモデル「Muse Spark Open」をリリースし、Apple M5 Ultra Mac 2台でローカル動作できるというこの発表は、大規模モデルの「クラウド専用」という前提を崩すものとして注目を集めている。
Mac 2台で816Bパラメータモデルをローカル実行
Metaが**Muse Spark Openをリリースした。総パラメータ数は816B(8160億)、コンテキストウィンドウは100万トークン**という大規模モデルだ。
最大の特徴は、Apple M5 Ultra Mac Studio 2台でローカル推論が可能な点にある。M5 Ultra Mac Studioは最大512GBのユニファイドメモリを搭載し、2台合計で1TBのメモリプールを構成できる。チップのメモリ帯域幅は1.2TB/sで、これがモデルデータの高速転送を支える。
MetaはAppleの**MLX**(Appleシリコン向け機械学習フレームワーク)と協力してこの構成を最適化した。通常であれば専用サーバーインフラが必要なスケールのモデルを、デスクトップ2台で動かせるようにしたことになる。
ただし、816Bという数字がそのまま推論コストに直結するわけではない。Muse Spark OpenはMixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャを採用しており、推論時に実際に使われるのは42Bパラメータのみだ。MoEとは、モデルを複数の「専門家」モジュールに分割し、入力に応じて必要な部分だけを選択的に活性化する手法で、巨大なパラメータ数を持ちながら計算量を抑えられる。
コーディングとエージェント動作が主な用途
MetaはXへの投稿でこのモデルについて次のように述べた。
Today we're releasing Muse Spark Open, the most capable US open-weight model to date.
Built for coding and agentic work, it excels at long-horizon tasks, complex software engineering, and multi-step reasoning.
Key Model Specs:
→ 816B total / 42B active parameters
→ 1M token context window
→ Natively multimodal across text, image, video, audio— AI at Meta (@AIatMeta) October 15, 2026
デモでは、Muse Codeを通じて実際のソフトウェア開発タスクを実行している。オープンソースのMastodonクライアント「Ice Cubes」のバグ修正、新機能追加、アプリのフルビルドが含まれる。また、DaVinci Resolveとの連携デモでは、映像をフレーム単位で解析し、使用するクリップの選定から縦型動画フォーマット向けの編集準備まで実行した。
マルチモーダル対応はテキスト・画像・動画・音声の4種類をネイティブにサポートする。
配布と制約
Muse Spark Openのウェイトは**Hugging Face**、Amazon SageMaker AI、Google Cloud Model Garden、Microsoft Foundry Modelsを通じてダウンロードできる。推論プロバイダーはBaseten、Fireworks AI、Groq、Modal、Nebius、OpenRouter、Together AIが対応している。
推論フレームワークはvLLM、SGLang、TensorRT-LLM、llama.cpp、Apple MLXに対応し、AMD・Apple・Intel・Nvidiaのハードウェアごとに最適化が施されている。

Muse Spark Open Benchmark(出典: Meta AI)
パフォーマンスについて、MetaはカスタムHelion GPUカーネルにより個別カーネルベンチマークで1.03〜3.95倍の速度向上を報告している。ただしエンドツーエンドの改善はAMD MI350ハードウェアで**3%**と控えめだ。
重要な制約として、Muse Spark OpenはMeta独自のMuse Model Licenseのもとで配布されており、商用利用に制限がある。ウェイトの検証やカスタマイズは可能だが、MITやApache 2.0といった許容的なオープンソースライセンスとは異なる点に注意が必要だ。
ローカル実行は現実的か
M5 Ultra Mac Studio 2台は相当な初期投資を伴う。ローカル実行がクラウドAPIより速いか安いかは、ワークロードや使用頻度によって変わる。プライバシー、カスタマイズ性、クラウド依存の排除を優先するケースでは選択肢になりうるが、コスト面での優位性を前提にするのは早計だ。
詳細はMeta launches Muse Spark Open, an 816B-parameter AI model optimized for Apple's M5 Ultra Macsを参照していただきたい。