10月13日、Dibakar Ghoshが「I turned Claude prompts into Windows taskbar buttons that do the work for me without opening Claude」と題した記事を公開した。Claudeアプリを一切開かず、タスクバーのアイコンをクリックするだけでクリップボードの内容を即時処理できる——このワークフローは、「繰り返し同じプロンプトを開いて貼り付ける」という日常的な手間を根本から消し去る点で際立っている。文法修正・メール下書き・事実確認といったタスクが、文字通りワンクリックで完結する。
仕組みの核心:Claude Codeのヘッドレス実行
このハックの本質は、Claude Codeをヘッドレスモード(claude -p)で呼び出すPowerShellスクリプトにある。
Claude Codeとは:Anthropicが提供するターミナルベースの開発者向けCLIツール。通常はコーディング支援用途で使われるが、
-pフラグ(ヘッドレスモード)を使うとUIを一切表示せずにプロンプトを渡し、結果だけを受け取ることができる。今回の手法ではこの特性を活用し、GUIを持たないバックグラウンド処理として機能させている。なお、Claude CodeはClaudeのデスクトップアプリとは別のツールであり、事前にインストールが必要だ。
スクリプトは次のように動作する:
- クリップボードの内容(テキストまたはスクリーンショット)を取得する
- 別途用意したプロンプトファイルと合わせてClaude Codeに渡す
- 結果をポップアップ表示、クリップボードへのコピー、カーソル位置へのペースト、またはファイル保存のいずれかで返す
Claudeアプリを開く必要は一切ない。タスクバーのアイコンをクリックするだけで処理が完結する。
スクリプトには--system-prompt-fileオプションでプロンプトファイルを指定し、--safe-modeで自分のClaude Code設定が干渉しないようにする設計になっている。プロンプトはコードから切り離した別ファイルに保存されるため、スクリプトを触らずに内容だけ更新できる。
スクリプトの生成もClaudeに任せる
スクリプトを手書きする必要もない。Claude CodeまたはClaudeデスクトップアプリに以下のプロンプトを投げれば、必要なファイル一式を生成してくれる:
I want to build a Windows 11 taskbar button that runs a Claude prompt on whatever is on my clipboard.
Please create:
1. A PowerShell script that reads my clipboard (text or an image, such as a screenshot), sends it to Claude Code in headless mode using `claude -p`, and either puts the result back on my clipboard or displays it in a window I can close manually.
2. A separate prompt file next to the script that holds the instructions, so I can edit the prompt later without touching any code.
3. A Windows notification when it starts working and when it's done, plus a notification with the error if something fails.
Use `--system-prompt-file` so my prompt replaces Claude Code's default coding prompt, `--safe-mode` so my personal Claude Code settings don't interfere, and disable any tools the button doesn't need.
Save everything in this folder: [your folder path]
Here's what this button should do: [describe the button, for example "fix grammar and spelling in my clipboard text and put the corrected version back on the clipboard"]
When you're done, give me the exact shortcut target I need to paste into a new desktop shortcut, explained step by step as if I've never done it before.
Claudeがスクリプトとプロンプトファイルを生成し、ショートカットの作成手順まで案内してくれる。なお、ショートカットの作成とタスクバーへのピン留めそのものは現時点では自動化できず、手動で行う必要がある。
タスクバーへのピン留めはショートカットを右クリックし、「その他のオプションを表示」→「タスクバーにピン留め」で完了する。アイコンはICO形式のファイルを用意して「プロパティ」→「アイコンの変更」から差し替えられるため、複数のボタンを見分けやすくなる。
著者が実際に使っているショートカット4種
記事ではDibakar Ghosh自身が運用している以下のボタンが紹介されている:
- Proofreader:クリップボードのテキストの文法・スペルを修正し、結果をクリップボードに戻す
- Demo Reply:メールや返信の下書き案を生成する
- Explainer:選択テキストやスクリーンショットを技術的なトラブルシューティングの観点で解説し、ポップアップ表示する
- Fact Checker:クリップボードの内容をWeb検索で事実確認し、判定結果を返す
いずれも「繰り返し発生する作業」に絞った構成だ。なお、Fact CheckerのようにWeb検索を伴うボタンを実装する場合、Claude CodeのツールとしてWeb検索(search tool)を明示的に有効化する必要がある。デフォルトでは無効化されているツールもあるため、プロンプト生成時にClaudeへ「Web検索ツールを有効にして」と明示的に指示するか、生成されたスクリプトのツール設定を確認することを推奨する。
背景:プロンプト管理の変遷
LLM活用において、プロンプトの使い回しは長年の課題だった。ObsidianなどでPromptライブラリを構築してClaudeに貼り付けるという手順から、AnthropicがClaude Projectsやskills.md(Claude Code内でスラッシュコマンドによってプロンプトを呼び出せるカスタム指示ファイル)を導入するなど改善が続いてきた。それでも「Claudeアプリを開く」「プロンプトを選択して貼り付ける」という手順は残り続けていた。今回の手法はその最後のステップを取り除き、OSレベルのUIに操作を委ねた点が肝になっている。定型業務の多い知識労働者にとって、導入コストに見合う時間削減効果が期待できるアプローチだ。
詳細はI turned Claude prompts into Windows taskbar icons that do the work for me without opening Claudeを参照していただきたい。