10月13日、Kotakuが「Epic Games Forces Shocked Developers Into 'AI-First' Mode For Delayed Shooter Featuring Marvel And Star Wars Characters」と題した記事を公開した。MarvellおよびStar Warsのキャラクターを使用した未発表のDisneyシューターゲームの開発チームに対し、Epic Gamesが「AIファースト」開発方針を突然課したと報じている。大手ゲーム会社がAIを開発パイプライン全体の基盤として採用しようとした前例のない動きとして、業界内で波紋を広げている。
AIファーストへの急転換——開発者が受けた衝撃
Kotakuが引用するBloomberg報道によると、Epic Gamesは開発中のDisneyシューターゲームにおいて、開発チームに「AIファースト」生産モデルへの移行を指示した。使用するAIはAnthropicのClaudeモデルで、チームはもはや「手書きコード」を使ってはならないとされた。
さらに踏み込んだのがアート制作への適用だ。未発表ゲームのディレクターは開発者に対し、すべてのアートは「フルAIワークフローで生成」されなければならないと伝えたという。コーディングにとどまらず、アーティストの仕事そのものもAIに置き換える方針であり、この通告が先週突然なされると、チーム内には混乱と衝撃が広がったとBloombergは伝えている。
Epic GamesのコミュニケーションディレクターであるJake Jonesは「私たちはAI加速開発を推進している。Epicの開発者がビジョナリーかつクリエイティブドライバーとして全てを牽引する」とコメントしたが、AIによるミスをどう検証し、粗悪なAI生成物を最終製品に混入させないための仕組みがあるのかは不明のままだ。
遅延と人員不足が背景に
このゲームは2027年3月リリース予定だったが、開発の遅れと人員不足を理由に延期が決定した。
背景には、Epic Gamesの厳しい経営状況がある。Disneyは2024年にこのプロジェクトを含むコラボレーションに対して15億ドルを出資している。にもかかわらず、Fortniteの苦戦と独占禁止訴訟の費用を理由に、Epic Gamesは今年初頭に1,000人以上の従業員を解雇している。
AIファーストへの急転換は、こうした人員削減後の開発リソース不足を補う意図があるとも読める。
ゲーム業界全体への波紋
Epic GamesのCEOであるTim Sweeneyは生成AIへの傾倒を公言しており、Steamがストアページ上でAI利用の開示を開発者に義務付けていることを批判したこともある。
一方で、大手ゲーム会社がAIを開発パイプライン全体の基盤として採用しようとした事例は、これまで存在しないとKotakuは指摘する。これに近い動きをした企業は、プレイヤーからの激しいオンラインバッシングを受けてきた。直近では、SaberのリードライターがChatGPTに置き換えられた件でCEOが謝罪に追い込まれた事例もある。
個人開発や小規模プロジェクトではAIを活用した開発効率の向上が各所で報告されているが、それをプロのゲーム開発組織として強制適用することと、個人の実験的な活用は別の話だ。Marvel・Star Warsという強力なIPを冠した本作がAI生成アートを前面に出した状態でどう受け入れられるのか、プレイヤーからの反発も含めて注目される。
詳細はEpic Games Forces Shocked Developers Into 'AI-First' Mode For Delayed Shooter Featuring Marvel And Star Wars Charactersを参照していただきたい。