10月4日、David Nieldが「Google is changing which models you can access on its Gemini AI plans」と題した記事を公開した。Googleが10月9日からGeminiの無料プランおよびAI Plusプランで利用できるモデルを絞り込む。これまで全プランで共通だったモデルアクセスを有料tier別に差別化する構造へと転換するもので、無料ユーザーは事実上「廉価モデル1択」を迫られる形となる。
無料ユーザーはFlash-Liteのみに制限
GoogleはGeminiのサポートドキュメント(9to5Google経由)で、モデルアクセス体系の刷新を明らかにした。10月9日(金)から、無料ユーザーが利用できるモデルはGemini 2.0 Flash-Liteのみとなる。
現在は無料でも利用できる以下の2モデルが、無料プランから削除される:
- Flash(2.5 Flash):日常的なタスクから複雑な問い合わせまで幅広く対応する「オールラウンド」モデル。Flash-Liteより高い推論性能を持ち、速度と品質のバランスで定評がある
- Pro(2.5 Pro):Geminiファミリーの中でも特に高度な推論・コード生成・長文処理を得意とするモデル。無料で使える最上位モデルとして多くのヘビーユーザーに利用されていた
Flash-LiteはGeminiファミリーの中で最も軽量な位置づけのモデルで、応答速度と低コストを優先した設計となっている。高度な推論や長文処理よりも、シンプルな質問応答や軽量タスクに向いているとされる。つまり無料ユーザーにとっては、利用できるモデルの「天井」が大幅に下がることになる。
月額**$4.99 / £4.49 / AU$7.99のAI Plusプラン**ユーザーも影響を受ける。Pro(2.5 Pro)へのアクセスが失われ、Flash(2.5 Flash)のみが引き続き利用可能となる。AI PlusユーザーにはGoogleからメールで変更のタイムラインが通知される予定だ。
上位プランは実質的に変更なし
AI ProおよびAI Ultraの上位プランには、モデルアクセスに関する変更はない。ただしAI Proについては、Deep Thinkモードが新たに追加される。Deep Thinkモードとは、回答を生成する前により多くの計算リソースを費やして推論を深める機能で、並列的な思考プロセスを最大化する代わりに応答速度をある程度犠牲にする設計となっている。数学的問題や複雑な論理推論など、精度が特に求められる場面での活用が想定されている。
なお各プランの月額料金の目安は以下の通り(元記事公開時点の情報):
- 無料プラン:$0
- AI Plus:$4.99/月
- AI Pro:$19.99/月(※編集部の考察:記事内に明示の記載はないが、Google公式サイト上の一般的な価格帯として参考値として掲示)
- AI Ultra:$249.99/月
「使用量制限」から「モデル制限」へ——ChatGPT方式に近づく
これまでGeminiの各プランは使用量の上限によって差別化されていた。全プランで同じモデルにアクセスできる代わりに、クエリ数や利用頻度に上限を設ける仕組みだった。今回の変更により、利用できるモデルそのものがプランによって異なる構造へと転換する。
これはChatGPTの料金体系に近い形だ。OpenAIもChatGPTのサブスクリプションプランにおいて料金に応じてモデルアクセスを制限しており、GPT-4oやo3などの高性能モデルへのアクセスは有料プラン限定となっている。ただし実装方法はやや異なり、ChatGPTではモデルごと・クエリタイプごと・思考モードごとに個別の使用枠が設定されているのに対し、Geminiはプランごとにアクセスできるモデルのラインナップそのものを変える形をとっている。
使用量制限は依然として不透明
使用量の上限については、Googleは「プロンプトの複雑さ、使用する機能、チャットの長さによって異なる」と説明しており、具体的な数値は公開していない。使用量は5時間ごとにリセットされ、週次の上限も存在する。有料ユーザーは無料ユーザーよりも高い上限が設定される。
モデルそのものを制限する構造に切り替えながら、使用量上限の具体的な数字は依然非公開という点は、ユーザーにとって計画的な利用を難しくする要因になりうる。
Googleの狙いは何か
記事ではGoogleの意図として、AIコンピューティングのコスト削減と有料プランへの誘導という2点を挙げている。高性能モデルをより上位のプランに集約することで、サブスクリプション収益を増やす狙いがあるとみられる。生成AIサービス全体でインフラコストが課題となる中、GoogleがOpenAIと同様の収益モデルへと舵を切った格好だ。
詳細はGoogle is changing which models you can access on its Gemini AI plansを参照していただきたい。