10月3日、Amanda Caswell が「7 things to say when ChatGPT gives you a bad answer」と題した記事を公開した。著者が「毎日使っている」というファクトチェック要求プロンプト、ChatGPTのイエスマン体質を逆手に取る「悪魔の代理人」など、ChatGPTが期待外れな回答を返してきたときに新しいチャットを始める前に試すべき7つのフォローアッププロンプトが紹介されている。
著者のAmanda Caswellは認定プロンプトエンジニア(Certified Prompt Engineer)であり、Tom's GuideのAIエディターを務める。「認定プロンプトエンジニア」はPrompt Engineering Institute(PEI)などの民間機関が提供する資格で、プロンプト設計・LLMの活用能力を認定するものだ。本記事で紹介する7つのフォローアップは、いずれも現在進行中のチャットにそのままコピーして使えるものとして設計されている。
ChatGPTに何度も同じ状況を説明し直す手間は、誰もが経験する。しかし多くの場合、問題はプロンプトの長さではなく、何が間違っていたかを明示しないことにある。「もう一度やり直して」と伝えるだけでは、ChatGPTは何を直せばいいか推測するしかない。「元の予算内に収めて、全コストを含めて」と伝えれば、修正箇所が明確になる。
最重要:ファクトチェックを要求する(著者が毎日使うTip #6)
著者が「毎日使っている」と明言しているのがこのプロンプトだ。
Which parts of this answer can you verify, and which are assumptions? Check current sources where available, link to them and say clearly what you couldn't confirm.
(この回答のどの部分が検証可能で、どの部分が推測か?可能な場合は最新の情報源を確認し、リンクを示した上で、確認できなかった点を明記してほしい。)
ChatGPTは自信満々に間違った情報を提示することがある。いわゆる「ハルシネーション」と呼ばれる現象で、製品の機能や店舗の営業時間など、ソースが必要な情報を扱う場面で特に有効だ。
ただし注意点がある。ChatGPTがそのセッションで外部情報にアクセスできない場合、このプロンプトを送ってもアクセス権限が付与されるわけではない。返ってきたリンクは自分で開いて、主張を裏付けているか確認する必要がある。
一番面白い使い方:悪魔の代理人(Tip #4)
計画の穴を見つけたいときに使えるプロンプト。ChatGPTはユーザーの意見に同調しがちで、批判的なフィードバックを自発的に出すことは少ない。これはRLHF(人間のフィードバックによる強化学習)によってモデルが「好意的な反応」を最適化する方向に訓練されていることが一因とされている。
What's the strongest argument against my idea? Focus on practical drawbacks, costs I may have overlooked and what would make this a poor choice for me.
(私のアイデアに対する最も強い反論は何か?実際的なデメリット、見落としているコスト、これが自分に向かない理由に絞って教えてほしい。)
例えばストリーミングサービスを月ごとにローテーションするプランを検討しているとする。有用な批判は「年間割引を失うリスク」や「同居人が同じスケジュールに従えるか」といった実務的な観点になる。最後に「挙げた反論のうち、自分の状況に最も当てはまるものはどれか」と追加で聞くと、汎用的なリストではなく自分向けの分析が得られる。
残り5つのプロンプト
Tip #1:自分の状況に引き戻す
汎用的なアドバイスが返ってきたときに使う。「30分後にゲストが来る」という制約を伝えたのに、収納の整理が含まれた清掃スケジュールが出てきた場合など。ChatGPTは与えられた文脈を無視して「一般的に正しい答え」を返す癖があり、このプロンプトはその軌道修正に使う。
Use the details I gave you, rather than giving me general advice. I have 30 minutes before guests arrive. Prioritize what they'll actually see and skip anything that can wait.
Tip #2:人間らしい文体に直す
文法的には正しいが、自分が実際には使わないような言い回しが混じっている場合。「I would never say 'I hope this message finds you well'」のように、具体的に気になる表現を指摘すると効果的だ。ビジネスメールの文面やSNS投稿など、「自分の言葉」として出力したい場面で特に活用しやすい。
Make this sound like something I'd actually say out loud. Use everyday language, remove the formal opening and keep it friendly without being overly enthusiastic.
Tip #3:結論を先に出させる
3段落の解説より、まず答えが欲しい場面。150語以内という制約を付けつつ、推奨が変わり得る例外情報は残すよう指示する。ChatGPTはデフォルトで「丁寧に説明する」方向に振る舞うため、忙しい実務の場面ではこの一手間で大幅に使い勝手が変わる。
Give me the answer first, then only the explanation I need. Keep it under 150 words and include any detail that could change your recommendation.
Tip #5:予算や制約の矛盾を洗い出す
「150ドルで子ども10人の誕生日パーティー」と頼んだのに、気づいたら250ドルになっているケース。制約を繰り返し明記して再計算させる。計算結果は自分でも確認すること。ChatGPTが計算を「見せる」ようにしても、数字や価格が正確とは限らない。
Redo this using my original limits: $150 total, 10 children and three hours. Include every cost you've accounted for and flag anything you can't fit within those limits.
Tip #7:今すぐできる最小の一歩を聞く
フォルダ、フィルター、週次レビューを含む完全なメール管理システムを提案されたが、今は10分しかない、という場合。ChatGPTは完全なソリューションを好む傾向があるが、実行可能な小さな一歩の方が実際には役立つことが多い。
What's the smallest useful step I can take in the next 10 minutes? Give me one action using what I already have, without setup or a new app.
まとめ
7つのフォローアップに共通するのは、何をどう直してほしいかを一文で明示するという原則だ。トーン、長さ、前提条件、無視された制約——修正が必要な箇所を特定して伝えるだけで、新しいチャットを始めるよりも早く目的の回答に辿り着けることが多い。特に実務での活用頻度が高いのはTip #6(ファクトチェック要求)とTip #3(結論先出し)だろう。それでも同じ問題が繰り返される場合は、そこで初めて新しいチャットを検討すればよい。
詳細は7 things to say when ChatGPT gives you a bad answerを参照していただきたい。