10月2日、Cloudflareが「Introducing Web Search API via AI Gateway」と題した記事を公開した。AI GatewayにWeb Search APIを統合し、AIエージェントがリアルタイムのWeb情報を推論パイプラインに取り込めるようになったことが詳しく説明されている。
LLMは学習データのカットオフ日以降の情報を持たないという構造的な制約がある。この問題を補う手法として近年注目されているのが、外部の検索・知識ベースからドキュメントを動的に取得してプロンプトに付与するRAG(Retrieval-Augmented Generation)だ。RAGのデータソースとしてはベクトルDBや社内ドキュメントが使われることが多いが、「インターネット全体をリアルタイムで検索する」ユースケースでは別途Web Search APIが必要になる。Perplexity APIやBrave Search APIなどの競合サービスが同様のニーズに応えてきた中、今回CloudflareはそのWeb検索レイヤーをAI Gatewayに直接統合することで、既存のオブザーバビリティ・認証・課金管理の仕組みをそのまま活用できる体験を提供する。
エージェントが「URLを当て推量する」問題を解決する
AIエージェントがWebページを参照する際、実はURLを推測してcurlするという実装が一般的だ。当然ながら推測が外れれば404が返る。この非効率な動作を根本から解消するのが、今回発表されたWeb Search APIだ。
人間がGoogleで検索するように、エージェントもまずWeb検索クエリを投げて関連情報を取得し、その結果をコンテキストとしてモデルに渡す。これによりモデルは学習データのカットオフ日以降の最新情報にアクセスできる。
AIモデルはトレーニング後に重みが固定されるため、リリース後に変化した情報—APIの仕様変更、直近のニュース、新製品のドキュメントなど—を知るすべがなかった。Web Searchはそのギャップを埋める動的なコンテキスト層として機能する。
パートナーはCeramic.ai、Exa、Linkup
ローンチ時点でのWeb Search提供パートナーは**Ceramic.ai、Exa、Linkup**の3社だ。
Cloudflareはパートナー各社に対し、自社の「Verified bots」基準への準拠を義務付けている。具体的には:
- クローラーをCloudflareの定義するVerified botsとして公開済みであること
robots.txtを遵守すること- 検索結果に元コンテンツへのリンクを含めること
マークアップなしでパートナーのリスト価格をそのまま提供するとしており、Zero Data Retention(ZDR)対応パートナーも明示される予定だ。
AI Gatewayに統合された3つの呼び出し方
Web Search APIはCloudflareの**AI Gateway**(推論の制御プレーンとして機能するレイヤーで、オブザーバビリティ・認証・課金管理を一元化する)に統合されている。Web検索のリクエストはAI Gatewayの通常ログに記録され、AI Gatewayのクレジットから消費される。
1. REST APIによる直接呼び出し
既存のバックエンドやモバイルアプリから利用する場合はcurlで呼び出せる:
curl https://api.cloudflare.com/client/v4/accounts/$CLOUDFLARE_ACCOUNT_ID/ai/websearch/ \
--request POST \
--header "Authorization: Bearer $CLOUDFLARE_API_TOKEN" \
--header "Content-Type: application/json" \
--data '{
"query": "What are some fun things to do in Salt Lake City as fall approaches?",
"provider": "ceramic",
"limit": 5,
"options": {
"gateway": { "id": "default" }
}
}'
2. Workers Bindingsによる統合
Cloudflare Workers上でビルドする場合は1行で呼び出せる:
const response = await env.AI.websearch({
gatewayId: "default",
query: "What are some fun things to do in Salt Lake City as fall approaches?",
provider: "exa",
limit: 5,
})
const results = await response.json()
3. Server Toolsとして使う(近日公開)
現時点では自前でツール定義を書く必要があるが、AI GatewayにServer Toolsが組み込まれれば、ツール定義を書かずにWeb検索をエージェントに渡せるようになる予定だ。
現在でも以下のように、Workers上でCloudflare Workers AI上で動作するGoogleのGemmaベースのモデル(@cf/google/gemma-4-26b-a4b-it)とWeb Searchを組み合わせたツール呼び出しパターンを実装できる:
const completion = await env.AI.run(
"@cf/google/gemma-4-26b-a4b-it",
{
messages: [{ role: "user", content: "What happened in the last Cloudflare Birthday Week in 2025?" }],
tools: [{
type: "function",
function: {
name: "web_search",
description: "Search the web for current information.",
parameters: {
type: "object",
properties: { query: { type: "string" } },
required: ["query"],
},
},
}],
},
{ gateway: { id: "default" } },
)
モデルがweb_searchツールを呼び出すと判断した場合、env.AI.websearch()でWeb検索を実行し、その結果をtoolロールのメッセージとしてモデルに再度渡すという二段階の処理になる。
Bring-Your-Own-Keyにも対応
モデル推論プロバイダーと同様に、BYOK(Bring-Your-Own-Key)にも対応している。既存の組織アカウントをそのまま持ち込んでAI GatewayとWeb Searchを使い始められる。

今すぐ試す場合はWeb Search開発者ドキュメントか、AI Playgroundで確認できる。
詳細はIntroducing Web Search API via AI Gatewayを参照していただきたい。