10月2日、Dataconomyが「OpenAI launches virtual try-on in ChatGPT」と題した記事を公開した。OpenAIがChatGPTにバーチャル試着機能と商品お気に入り機能をグローバル展開したことを伝えている。
自撮り写真で服を試着できる「Virtual Try-On」
今回のアップデートの核心は、バーチャル試着(Virtual Try-On)機能だ。ユーザーは自撮りや全身写真をアップロードするだけで、ChatGPTのショッピング検索結果に表示された衣類やアクセサリーが自分に似合うかどうかを確認できる。ショッピング結果画面には新たに「Try On」ボタンが追加される。
さらに、ウェブサイトのスクリーンショットなど手持ちのアイテム画像をアップロードして、「これを試着させて」と指示する使い方も可能だ。有名人のコーディネート写真を見せて、「このアイテムを購入できる場所を探して」と頼むこともできる。
なお、同様のバーチャル試着機能はGoogleがすでに提供しており、Google Shopping の試着機能やPinterestがファッションのインスピレーション源・商品探索の場として近年主導的な地位を占めてきた。OpenAIはその領域に正面から切り込む形になる。また、OpenAIは今年5月にChatGPTへのショッピング機能統合を発表しており、今回の試着機能はその延長線上に位置づけられる。
商品を保存できる「Favorites」
もう一つの新機能がFavoritesだ。ChatGPTで見つけた商品をアプリ内の「ライブラリ」に保存しておける。保存した商品は試着画像と並べて確認できるため、後から比較検討しやすい設計になっている。単発の検索で終わらせず、継続的な検討フローに組み込める点が従来のチャットUIとの大きな違いだ。
画像生成モデルによる試着画像の生成
これらのショッピング機能における試着画像の生成には、OpenAIの画像生成モデルが活用されている。元記事によれば、同モデルは以下の点で改善されているという。
- より自然なライティングとリッチなテクスチャの再現
- 編集指示への追従精度の向上
- 画像生成レイテンシの低減
※編集部の考察:なお、元記事では使用モデルの具体的な名称について詳細な言及はない。OpenAIの画像生成技術の最新動向については公式の研究ブログも参照されたい。
「即時購入」機能の失敗を経ての方向転換
OpenAIのショッピング機能の歴史を振り返ると、以前は即時チェックアウト(instant checkout)機能を提供していたが、成績が振るわず撤退している。今回の試着・お気に入り機能は、購買を急かすのではなく「発見と検討」を支援するフェーズに軸足を置いた設計と言える。
AIを活用したショッピング体験の設計においては、レコメンデーションが「有益な提案」に見えるか「広告」に見えるかのバランスが難しい課題として業界全体で認識されている。OpenAIが即時購入から発見・検討支援へと軸足を移した背景には、こうした文脈もあるとみられる。
スタイル提案機能も統合
ChatGPTは、ユーザーが「このスタイルを完成させるのに必要なアイテムを探して」と説明するだけで、コーディネートに必要なピースを検索する機能も備える。単品の商品検索にとどまらず、スタイリング提案まで一貫して行える点が特徴だ。テキストによる自然言語の指示だけでなく、画像入力との組み合わせによって、従来の検索エンジン型ショッピングとは異なるインターフェースを実現している。
ファッション分野におけるAI活用は、Pinterest の視覚検索機能など各社が独自のアプローチで競争を繰り広げており、ChatGPTへの統合はその競争をさらに加速させる可能性がある。
詳細はOpenAI launches virtual try-on in ChatGPTを参照していただきたい。