9月28日、How-To Geekが「Blender always scared me, but Claude helped me make this animated video in just a few hours」と題した記事を公開した。この記事では、BlenderのMCPサーバーとClaudeを連携させることで、Blender未経験者でも数時間でアニメーション動画を制作できた実体験について詳しく紹介されている。
Blenderの壁を崩したMCP連携
Blenderは無償で使える3DCG・アニメーション制作ソフトとして知られている。しかし、起動した瞬間に目に飛び込む無数のパネル・モード・メニュー・設定項目が初学者を圧倒し、そのまま挫折するケースは多い。
※編集部の考察:2025年のアカデミー賞長編アニメーション映画賞を受賞した『Flow』が全編Blenderで制作されたことは広く報じられており、Blenderがプロの制作現場でも通用するツールであることの証左として付記した。ただし元記事に記載のある情報ではないため、参照の際は出典を個別に確認されたい。
その壁を崩す糸口が、今年Blenderが公式リリースしたMCPサーバーだ。MCP(Model Context Protocol)とは、AIモデルが外部ツールをプログラム的に操作するための標準プロトコルで、ClaudeといったLLMをBlender内部に接続できる。これにより、ユーザーは「どんなシーンを作りたいか」をテキストで伝えるだけで、AIがBlenderを直接操作してシーンを構築してくれる。
4時間で45秒のアニメーション動画
記事の著者はClaudeとBlenderを組み合わせ、約3〜4時間で45秒のアニメーション動画を完成させた。使用したClaudeのプランは月額20ドルのProプランで、セッション使用量の消費は約26%だったという。
※編集部注:元記事で言及されているClaudeの具体的なモデル名・バージョンについては、記事公開時点での表記を元記事にて直接ご確認いただきたい。誤記を避けるため、本記事では記述を省いている。
4時間のうち著者が実際に手を動かしていたのは1時間未満。残りの時間はClaudeが自律的に作業し続け、数秒ごとに新しいシーンやモデルがBlender上に出現していく様子を見守るだけだった。
ただし、一発で理想の出力が得られたわけではない。カメラの動き・キャラクターモデル・背景の奥行き表現などで問題が発生し、都度修正を指示する往復作業が必要だった。元記事に複数回の試行が必要だった旨の記述がある。
プロンプト設計で学んだこと
著者が特に興味深かったと語るのは、世界の構築順序だ。当初「小さな場所から始めてズームアウトする構成」を指示したところ、ズームアウトのたびに描写が薄くなった。Claudeがワールド全体を一度に構築できずにいたためだ。
そこで「まず世界全体を細部まで作り込んでから、特定の場所にフォーカスしてズームアウトする」という順序に切り替えると、品質が向上した。著者はこれを「世界地図とその設定を先に作ってから、キャラクターの物語を描くファンタジー小説の手法に近い」と表現している。
セットアップ手順:10分あれば始められる
手順自体はシンプルだが、細かな順序を誤るとMCPサーバーが正常に起動しないケースもある。以下の手順は元記事に沿ったものだ。初めてBlenderとClaudeを連携させる場合でも、この流れに従えば概ね問題なく動作確認まで到達できるはずだ。
※編集部注:元記事で言及されているBlenderのバージョン番号については、記事公開時点での表記を元記事にて直接ご確認いただきたい。本記事での誤記を避けるため、以下の手順では具体的なバージョン番号の記述を省いている。
Blender側の設定
- Blender(元記事記載のバージョン以降)とClaudeデスクトップアプリをインストールする
- BlenderのMCPページからアドオンをダウンロードし、サイトの指示に従いBlenderにドラッグ&ドロップで2回インストール
- Edit → Preferences → Get Extension でMCPがインストール済みになっていることを確認
- Edit → Preferences → System で「Allow Online Access」を有効化
- Edit → Preferences → Add-ons でMCPを展開し、サーバーを起動
Claude側の設定
Blender MCPリリースページから最新の**.mcpb**ファイルをダウンロードし、ダブルクリックで開く。Claudeが拡張機能のインストール確認を求めるので「Yes」を選ぶだけだ。
設定後、Claudeに「Blenderに接続できるか確認して」と話しかけると動作確認ができる。
使用時の注意点
著者の経験では、Blenderを最小化するとワークフローが失敗するケースがあった。Blenderは常に画面上に表示した状態で作業させることを推奨している。
また、Claudeがコンピュータ画面を直接操作する「Computer Use」機能を使う方法もあるが、スクリーンショットを頻繁に撮影して状態を把握する仕組みのためトークン消費が大幅に増える。MCPサーバー経由の連携の方が効率的だ。
「Blender未経験者がClaudeで動画を作れた」の意味
Blender×Claude MCP連携が面白いのは、3DCGの知識やPythonスクリプトの経験がなくても、自然言語だけで複雑な3Dシーンを生成できる点だ。MCPの仕組みがAIとツールの橋渡しをすることで、従来は専門家の領域だった作業が大幅に民主化されつつある。
一方で、プロンプトの質がそのまま出力品質に直結する点は変わらない。今回の事例でも、「どの順序で世界を構築させるか」という指示設計が品質の分かれ目になっている。AIに丸投げするのではなく、ディレクターとして適切な指示を与える能力が求められる。
詳細はBlender always scared me, but Claude helped me make this animated video in just a few hoursを参照していただきたい。