9月25日、Android Developersが「Build your way: Use any AI agent of your choice in Android Studio」と題した記事を公開した。この記事では、Android StudioにAnthropicのClaude AgentやOpenAIのCodexなど任意のAIエージェントを接続できる新機能「Bring Your Own Agent(BYOA)」について詳しく紹介されている。
「自分のエージェントを持ち込め」──BYOAの核心
昨年、Android Studioは任意のAIモデルへの対応を発表した。今回はさらに一歩進み、AIエージェントそのものを選択できる「Bring Your Own Agent(BYOA)」をCanaryリリースで導入した。
対応エージェントとして現時点で明示されているのは以下の3つだ。
- Anthropic Claude Agent
- OpenAI Codex
- Google Antigravity(Geminiモデルを基盤とするGoogleのエージェント実装。従来のGemini in Android Studioの実質的な後継・上位版に相当する)
これらはいずれも**Agent Client Protocol(ACP)**に準拠しており、ACP対応エージェントであれば原則としてAndroid Studioに接続できる。ACPとはエージェントとIDEが通信するための標準プロトコルで、異なるベンダーのエージェントを共通インターフェースで扱えるようにするものだ。
BYOAの差別化ポイントとして見逃せないのは、エージェントをIDEに「外付け」するのではなく、Android Studio固有のインフラとネイティブに統合する設計を採っている点だ。VS Code向けのGitHub CopilotやContinueなどの競合実装が汎用的なLSP連携にとどまることが多いのに対し、BYOAはビルドシステムやエミュレータといったAndroid特有のツールチェーンをエージェントから直接呼び出せる。Androidアプリ開発に特化した深い統合を、エージェントを問わず享受できる点がこのアプローチの意義といえる。
Claude Agent in Android Studio
Android Studioのインフラと組み合わせることで何が変わるか
単にエージェントをIDEに差し込むだけでなく、Android Studio側のインフラをエージェントが活用できる点が重要だ。具体的には以下が提供される。
- コードベース認識とトークン効率化: プロジェクトグラフ・ビルド設定・プラットフォーム情報をACPを通じてエージェントに直接渡す。エージェントは関連ファイルだけを絞り込んで処理できるため、トークン消費・レイテンシの削減につながる。
- ネイティブツール連携: ビルド診断、Jetpack Compose Preview、Android SDK、Androidエミュレータの制御がエージェントから直接呼び出せる。テストや診断をエージェントがIDEの中で実行できる。
- エージェント切り替え: クォータ不足やパフォーマンスの問題が起きた場合に、別のエージェントへシームレスに切り替えられる。
- 権限の粒度制御: ルーティンな作業はエージェントが自律実行し、リスクの高い操作では人間の承認を要求する、というモードを設定できる。
また、各エージェントはAndroid Knowledge Baseにアクセスでき、Androidの最新ベストプラクティスを参照できるとしている。
GeminiユーザーはAntigravityエージェントへの移行を推奨
現在Android StudioのBuilt-inエージェントとしてGeminiを使っているユーザー向けに、記事ではGoogle Antigravityエージェントへの移行を推奨している。AntigravityはGeminiモデルを基盤とするエージェント実装であり、従来のGemini in Android Studioと比べてモデルバージョンや利用枠の面で優位性があるとされている。移行を推奨する理由は以下の通りだ。
- Gemini Flash 3.8(記事公開時点の現行最新モデル)など最新モデルへのアクセス
- AIの使用クォータの増加
- Google AI ProまたはUltraプランのサブスクリプション特典をAndroid Studio内で利用可能
- Gemini APIキーによるトークン従量課金にも対応
Selecting the Google Antigravity agent
Gemini Enterpriseを利用している組織は、Built-inエージェントとAntigravityエージェントのいずれも引き続き使用できる。いずれの場合もGoogle Cloudのセキュリティとプライバシー保護が適用される。
導入手順
BYOAはAndroid Studio Rabbit 2のCanaryリリースでプレビュー提供が始まっている。導入手順は以下の通りだ。
- Android Studioを更新: Canaryリリースチャンネルの最新版を適用する。
- エージェントを接続: エージェントウィンドウからClaude Agent、Codex、Antigravityのいずれかを選択し、サインインまたはAPIキーを入力する。追加エージェントは
Settings > Tools > AI > Agentsのレジストリから確認できる。 - ドキュメントを確認: プレビューリリースノートに詳細がある。
詳細はBuild your way: Use any AI agent of your choice in Android Studioを参照していただきたい。

