9月22日、CNBCが「Alibaba shares jump as new AI chip, data center buildout plans unveiled」と題した記事を公開した。アリババが杭州の年次カンファレンスで新型AIチップと2032年までに20ギガワット超というデータセンター拡張計画を発表し、香港市場で株価が約3%上昇した。20ギガワットという数字はNvidiaやMetaの同種計画を大きく上回る規模であり、米中間の半導体規制をめぐる緊張が続く中でのアリババの自社チップ戦略とあわせて注目を集めている。
前世代比3倍性能の新AIチップ「Zhenwu V900」
アリババは9月22日、杭州で開催したクラウド部門の年次カンファレンス「Apsara Conference」において、次世代AIチップZhenwu V900を発表した。同社によれば、V900は今年5月にリリースされた前世代チップZhenwu M890の3倍の性能を実現するという。
量産・商用リリースは2027年第1四半期を予定している。既存のZhenwuチップはすでに自動車、金融、エネルギー、製造業など各業界の650社以上の顧客に利用されている。
2032年までにデータセンター容量20ギガワット超へ
インフラ面では、Alibaba Cloudのグローバルデータセンター容量を2032年までに20ギガワット超に拡張する計画も発表した。
比較として、Nvidiaがオーストラリアのパートナーとともに2027年までに最大2ギガワットのAIインフラ整備を計画しているほか、Metaも7月にカナダ・アルバータ州で1ギガワット規模(建設費約90億ドル)のデータセンター建設計画を発表している。アリババが掲げる20ギガワットという数字は、それらを大きく上回るスケールだ。
Qwen 4モデルも開発中、「AIコーディングは電球だ」
チップ・インフラに加え、アリババは次世代LLM(大規模言語モデル)の開発状況も明らかにした。元記事によれば、Qwen 4は現在トレーニング中であり、続くシリーズとしてQwen 4.5およびQwen 5の開発ロードマップも示されている。
アリババグループCEOのEddie Wu氏は、「機械による思考にはまだ巨大な成長余地がある」と述べ、現在のAI開発を電力普及の黎明期になぞらえた。「AIコーディングはまさに機械知能時代の電球だ」というコメントは、インフラ投資への強気な姿勢を端的に表している。
国内競合・ファーウェイも同週に大型発表
アリババの発表と時期が重なる形で、国内競合のファーウェイも先週、最大100万プロセッサまでスケールする新AIインフラ「Peerium」を発表した。中国国内でのAIインフラ競争が急速に加熱している状況を示している。
今回の一連の発表は、チップ設計からクラウドインフラ、基盤モデルまでをカバーする包括的なAI戦略として読み取れる(※編集部の考察)。米中間の半導体規制をめぐる緊張が続く中、アリババが自社チップ開発に注力するのは自然な流れといえる。
詳細はAlibaba shares jump as new AI chip, data center buildout plans unveiledを参照していただきたい。