9月14日、Daniel Leviが「SoftBank secures $11.87 billion to keep funding OpenAI even as its stock plunges 13%」と題した記事を公開した。この記事では、SoftBankがOpenAIへの投資継続に向けて約20の銀行から構成される銀行団から118億7,000万ドルの融資を確保した一方、同社株が最大13%下落するという、信用市場と株式市場の評価が真逆に割れた異例の状況について詳しく紹介されている。
銀行は貸す、投資家は売る
今回の融資で最も際立つのは、その「oversubscription(応募超過)」という事実だ。SoftBankが当初設定した目標額は100億ドルだったが、約20の銀行が参加した結果、118億7,000万ドルと目標を上回る規模に達した。
これが起きたタイミングが問題を浮き彫りにする。融資が決まったのとほぼ同じ瞬間、東京市場ではSoftBank株が最大13%下落——6月下旬以来最大の下げ幅を記録していた。フロンティアAI(現時点での最高水準のAIシステム)の開発最前線に立つ幹部たちから、開発ペースやリスクに関する警告が相次いだことが引き金となった。元記事によれば、こうした発言はAI開発の持続可能性や安全性に関する懸念を含むものであり、市場センチメントを急速に悪化させた。
信用市場と株式市場が、真逆のシグナルを発している構図だ。
銀行は担保や保証、厳格な融資条件に守られており、SoftBankへの融資に引き続き前向きだ。一方の株式投資家は、AIへの巨額支出がすでに株価に織り込まれた期待リターンを本当に生み出せるのか、再評価を始めている。
累積投資額は最大646億ドルへ
SoftBankはOpenAIに対し、すでに数百億ドル規模のコミットメントを行っており、10月までの累積投資額は約646億ドルに達する見込みだ。これによりSoftBankはOpenAIの株式の約**13%**を保有することになる。SoftBankの歴史の中でも最大級の賭けであり、グループ全体の将来をある単一の非公開AI企業の命運に結びつける形となっている。
今回の118億7,000万ドルの融資は独立した枠組みであり、OpenAI株を担保とした別の100億ドルのマージン・ファシリティとは別物だ。さらにSoftBankは、400億ドルのブリッジローン(つなぎ融資)のうち残る259億ドルを9月15日に返済する計画も明らかにしている。
3ヶ月前の挫折から急転換
この大型融資が成立した背景には、つい3ヶ月前の挫折がある。SoftBankはOpenAI株を担保に少なくとも60億ドルの調達を試みたが、非公開企業の株式をどう評価するかという問題に銀行側が慎重になり、交渉は難航した。当時は調達目標の引き下げを余儀なくされ、当初掲げていた金額を大幅に下回る形で決着した経緯がある。
今回の成功——目標100億ドルに対し118億7,000万ドルを確保——は、その時から状況が大きく変わったことを示している。ただし、融資条件(金利、担保設定の詳細)は報じられていない。
「AIレースが鈍化したら何が起きるか」
SoftBankは現在、短期借入、資産担保融資、社債発行など複数の手段を組み合わせてAIへのコミットメントを資金調達でつなぎ留めている。海外での社債発行は最大200億ドルが検討されているとも報じられている。
8月にはSoftBankが保有するIntel株への20億ドル投資が82億ドルの利益を生んだことが注目を集めた。だが今、市場の視線はOpenAIという巨大なポジションに再び向いている。
株式市場が問いかけているのはシンプルな問いだ——「AIレースが、この賭けが報われる前に失速したら、何が起きるのか」。銀行団の前向きな姿勢と株式投資家の懸念が同時進行する異例の状況は、SoftBankのAI戦略が持つ規模とリスクの両面を鮮明に映し出している。
詳細はSoftBank secures $11.87 billion to keep funding OpenAI even as its stock plunges 13%を参照していただきたい。