9月12日、Runtime Wireが「OpenAI says ChatGPT users built 5M Sites in three months」と題した記事を公開した。OpenAIのウェブアプリ生成・ホスティング機能「ChatGPT Sites」がリリース3ヶ月で500万サイトを突破したという内容だ。
3ヶ月で500万サイト——ChatGPT Sitesの普及速度
OpenAIは9月11日、X上の8連投稿で「ChatGPT Sitesが3ヶ月間で500万件以上作成された」と発表した。
ChatGPT Sitesは、ChatGPTのUI内でウェブアプリを生成・ホスティングまでできる機能だ。ユーザーはアプリの内容をプロンプトで記述し、生成されたUIを確認・修正し、そのまま公開できる。開発環境や別途デプロイ基盤を用意する必要はない。
ただし、この500万という数字には注意が必要だ。これはOpenAIが公表した作成件数であり、作成したユニークユーザー数(1人が複数作成可能)、実際に公開されたサイト数、現在もアクティブなサイト数、リピーターがついているかどうか——いずれも明らかにされていない。
それでも、既存の巨大なChatGPTユーザーベースに新ツールを展開することで、この規模の数字を3ヶ月で出せるという事実は、OpenAIの配布チャネルとしての圧倒的な強みを示している。GitHub PagesやVercelのような開発者向けホスティングサービスが前提とする「コードを書ける」という参入障壁を丸ごと取り除き、WixやSquarespaceのようなノーコードツールとも異なる「会話の延長で完結する」体験を提供している点が、この普及速度の背景にあると見られる。※編集部の考察
「社内ツール向け」から「消費者向けアプリ」へ
ChatGPT Sitesは2025年6月2日にプレビュー公開された(※元記事ではCodexとの関係について明示的な言及はなく、OpenAIの公式発表に基づく)。当初のコンセプトはダッシュボード、進捗トラッカー、計算ツールといった社内向けの軽量アプリを想定していた。
3ヶ月後の現在、OpenAIがアピールしている事例は様変わりしている。ピクセルアートのクリーチャー収集ゲーム、ブラウザベースの3Dお絵かきツール、地震・宇宙天気をまとめたアラートページ、日本語のしりとりゲーム(共有型)、AIとの感情的つながりをテーマにしたインタラクティブビジュアルストーリー——いずれもchatgpt.siteのサブドメインで一般公開される消費者向けプロジェクトだ。
「生成したコードで終わり」ではなく、成果物を世界に向けて公開できる「終着点」をChatGPT内に作る——それがSitesの戦略的な位置づけだ。
コラボ編集・カスタムドメイン対応
新たに加わった機能として、コラボレーション編集がある。サイトオーナーは同じChatGPTワークスペース内の他のメンバーに編集権限を付与でき、コラボレーターはプロジェクトの変更・バージョン保存・後日の公開が可能だ。ただし、URLやドメイン設定、所有権の移転はオーナーが引き続き管理する。
カスタムドメインにも対応しているが、ドメイン自体はユーザーが別途取得し、DNSレコードの設定も自分で行う必要がある。公開範囲はオーナー限定・指定ユーザー・ワークスペース内・インターネット全体の4段階で設定可能で、Enterpriseプランではデフォルトで外部公開が無効になっており、管理者が制御する。
ホスティングが生む「責任の所在」問題
Sitesは現在もパブリックベータの位置づけだ。プランごとの制限により、新規プロジェクトの作成数、ストレージ、高トラフィックサイトの継続公開に制約がかかる場合がある。
Sites利用規約によれば、コンテンツへの責任はすべて作成者が負う。保護された医療情報や決済カード情報の処理は禁止されており、コマース目的で使う場合の取引・税務・カスタマーサポートの責任も作成者側にある。さらに、データレジデンシー(データ保存地域の指定)には対応していないため、内部向けアプリをSitesで公開することを検討する企業にとっては無視できない制約だ。
OpenAIはビルダー・ランタイム・ストレージ・URLを提供する一方、生成されたアプリが何をするかの責任は作成者に押し返す構造になっている。
次の関門は「使われ続けるか」
500万という数字はあくまで作成数の話だ。OpenAIが次に問われるのは、どれだけのSitesが実際にユーザーを獲得し、初回の試みを超えて使い続けられるアプリになるかだ。プロンプトから生まれたアプリが、プロンプトの外でも生き続けられるかが、このプロダクトの真価を測る指標になる。
詳細はOpenAI says ChatGPT users built 5M Sites in three monthsを参照していただきたい。