9月10日、Wiredが「Everything New You Can Do With Siri AI」と題した記事を公開した。iOS 27で刷新された「Siri AI」が備える新機能の全容を網羅した内容で、最大の目玉は現在表示中の画面をそのままSiriに認識させて質問できる機能だ。スクリーンショットを挟む手間なく、見ているものをそのまま問いかけられるこの仕組みは、これまでのSiriとは一線を画す体験をもたらす。
Siriが14年越しに刷新される背景
Siriは2011年にiPhoneへデビューした。Google Assistantより5年早く、ChatGPTの一般公開より11年先行していた。それでも近年のジェネレーティブAIの台頭によって競合に追い越され、iOS 27での「Siri AI」への刷新はその巻き返しを狙った動きである。
ただし、すべてのiPhoneで使えるわけではない。Siri AIの新機能が利用できるのは、iPhone 15 Pro / 15 Pro Max以降(iPhone 18 Pro、iPhone Duoを含む)に限られる。オンデバイスのAI処理に必要なシリコンを搭載しているモデルが条件となる。
なお、Appleが同機能群を支えるインフラとして整備しているApple Intelligenceや、プライバシーを担保するサーバー処理基盤であるPrivate Cloud Computeについては、Apple公式のドキュメントも参照されたい。
最も実用的な新機能:「画面上のものを直接聞ける」
従来は画面のスクリーンショットを撮ってSiriに渡す必要があったが、Siri AIは今見ている画面をそのまま認識できる。Safariでウェブを閲覧中に「この記事を要約して」と話しかけたり、記事内の画像に映る建物を識別させたりできる。Settingsの特定の項目について「この設定は何を意味するの?」と聞くことも可能だ。
さらに、カメラアプリにもSiriモードが追加された。シャッターボタン横のセレクターで切り替えると、カメラのファインダーに映っているものについてリアルタイムで質問できる。レストランのメニューを映して栄養情報を聞く、といった使い方が紹介されている。
端末内のデータを横断して検索できる「パーソナルコンテキスト」
Siri AIは起動後、iPhone内のデータ(テキスト、メール、カレンダーなど)をインデックス化する。これにより、「ママと会う場所はどこだったっけ?」「仕事の評価面談は何日?」といった自然な質問に、アプリ内の情報を元にして答えられるようになる。
重要なのは、すべての処理はオンデバイスで完結し、Appleには何も送信されない点だ。プライバシー面での懸念はひとまず抑えられている。端末上でのAI処理を指すオンデバイスMLの概念については、Apple Machineのデベロッパー向け解説も参照すると理解が深まる。
写真・動画にも対応しており、Photosアプリ内で「ペットの写真を全部見せて」「前回の旅行の画像は?」と話しかけるだけで絞り込みができる。
テキスト生成がネイティブ化
Siri AIではサードパーティ不要のネイティブ処理でテキスト生成が完結するようになった。メッセージやメールの文面を「もっとフォーマルに」「短くして」「箇条書きを文章に直して」といった指示で編集できる。変更履歴を遡って確認する機能もあり、最終承認は常にユーザー側に残る。
専用アプリの登場とアプリ内操作の拡張
Siri AIには初めて独立したアプリが用意された。ホーム画面から起動して会話履歴を参照したり、Appleデバイス間でクエリを同期したりできる。
アプリ内操作の面では、カレンダーイベントの作成やプレイリストの切り替えなどをより自然な言葉で指示できるようになった。誰かがテキストで日時を送ってきたときに、Siriが自動でカレンダー登録を提案するといったプロアクティブな動作も加わっている。サードパーティアプリへの対応は今後段階的に拡充される予定とされている。
音声の「個性」をカスタマイズ(一部機種限定)
この機能は要求スペックが一段高く、iPhone 17 Pro / 17 Pro Max / Air、および2026年モデルのiPhoneのみが対象である。
Siriの話すペース・トーン・いわゆる「表現力(expressivity)」を調整できる。Settings → Siriから設定でき、デフォルトの声の変更や、会話履歴の保存期間の設定も同じ画面から行える。
詳細はEverything New You Can Do With Siri AIを参照していただきたい。