9月6日、Windows Latestが「Microsoft wants Windows 11 to move beyond Copilot buttons, with AI models running on your PC」と題した記事を公開した。この記事では、MicrosoftがWindows 11をCopilotボタン中心のAI統合から脱却させ、ローカルでAIモデルを実行するプラットフォームへと転換しようとしている構想について詳しく紹介されている。
「Copilotボタン」時代の終わり
Microsoftはここ数年、Windows 11にCopilotを積極的に組み込んできたが、その方針が明確に変わりつつある。同社はすでにMicrosoft PhotosやSnipping ToolからCopilotを削除し、NotepadのCopilot統合を「Writing tools」に改名している。
こうした動きは単なるUI整理ではない。Microsoftが打ち出す次のビジョンを理解すると、その意図が見えてくる。
「Unmetered Intelligence」とは何か
IFA 2026でMicrosoftのWindows & Devices担当コーポレートバイスプレジデント、Mark Linton氏が語ったキーワードが「Unmetered Intelligence(無制限のインテリジェンス)」だ。
Linton氏はこれをBill Gates時代の「すべてのデスクに、すべての家庭にPCを」というMicrosoftの歴史的スローガンになぞらえた。
「私たちが話しているのは、すべてのデスクに、すべての家庭にUnmetered Intelligenceをということだ。Bill Gatesがボスだったころ、それはPCだった」
具体的には、AIモデルをクラウドではなくPC上でローカル実行するという方向性だ。Linton氏はその経済的メリットをこう説明している。
「PCが十分に強力であれば、モデルをローカルで実行することでトークンのコスト構造を変えられる。毎回クラウドに送る必要はない」
ここで言う「トークン」とは、GPT系モデルなどのLLM(大規模言語モデル)が処理単位として使うテキストの断片で、クラウドAPIの利用料金はこのトークン数に基づいて課金される。ローカル実行であれば、この費用が発生しない。
MicrosoftはIFA 2026の場で、数百億パラメータ規模のモデルをローカルで動かせるPCの登場にも言及。Linton氏はそうしたマシンを「デスクトップ上のスーパーコンピュータに近い能力」と表現した。
Windows をAIエージェントのOSへ
Microsoftが目指すのは、Windows 11をAIエージェント(自律的にタスクを実行するAIプログラム)の実行基盤にすることだ。同社は「WindowsをAIにとって最良のプラットフォームにする」と明言しており、開発者へのリーチを最初のステップとして位置づけている。
ただし、エンタープライズ向けには「エージェントを野放しにはできない」というリアルな懸念への対応も示している。Linton氏はこう述べた。
「顧客は明確だ。エージェントを企業ネットワーク上で勝手に動かしたくない。長時間稼働するエージェントの力は使いたいが、ポリシーは手放せない」
将来のWindows 11では、AIエージェントの監査機能やログ監視、動作範囲の制御機能が追加される見通しだ。詳細は2026年後半に発表されるという。
背景:業界全体でエージェントへのシフトが加速
この動きはMicrosoftだけではない。AI業界全体が「チャットボット」から「エージェント」へと軸足を移しており、各社がエージェントを次の収益源として位置づけている。
一方でWindowsは月間アクティブデバイスが16億台という規模を持つ。このプラットフォームがローカルAI実行の基盤として機能し始めれば、クラウドAI一強の構図に変化が生じる可能性がある。
詳細はMicrosoft wants Windows 11 to move beyond Copilot buttons, with AI models running on your PCを参照していただきたい。
