9月5日、Windows Latestが「Microsoft is adding an AI-powered Canvas to Excel that turns workbook data into interactive dashboards」と題した記事を公開した。Excelのワークブックを開いたまま、AIが自動でインタラクティブなダッシュボードを生成し、元データの変更にリアルタイムで追従する——そんな機能「Copilot Canvas」のロールアウトが、数週間以内に始まる。
ワークブックに「生きたダッシュボード」が自動生成される
MicrosoftはMicrosoft 365のロードマップを更新し、Excel向けの新機能「Copilot Canvas」を発表した。
Copilot Canvasは、ワークブック内のデータから主要なビジュアライゼーション・メトリクス・インサイトをまとめた、インタラクティブなビューを自動生成する機能だ。Microsoftの説明によれば:
"A Copilot-generated canvas that turns workbook data into a polished, interactive view of key visualizations, metrics, and insights. As workbook data changes, it automatically updates to reflect the latest information. Users can modify the canvas by chatting with Copilot."
ポイントは「静的なサマリーではない」という点にある。生成されたCanvasはワークブックと接続し続け、元データが変更されると—手動更新でも外部ソースからの取得でも—ダッシュボードが自動的に追従して更新される。Copilotとのチャットで内容を修正することも可能だ。
ロールアウトは数週間以内に開始され、多くのユーザーは10月初頭までに利用できる見込みとされている。
既存のCopilot機能との違い
Excelのこれまでのcopilot機能でも、チャートの生成やPivotTableの作成、トレンド・外れ値の検出、インターネットからの情報取得といった操作は可能だった。Canvasはそれらの出力を一つのビューに統合し、かつデータとの同期を維持する点が新しい。
なお、記事の執筆者は「ExcelでのCopilotにはあまり良い経験がなく、スプレッドシートでAIを使うなら(Microsoftより良い仕事をする)Claudeを選ぶ」と率直な私見を述べており、現状のCopilot in Excelへの評価は必ずしも高くない。ただしこれはあくまで執筆者個人の評価であり、一方で同氏は「Microsoftは明らかに追いついてきている」とも指摘している。
同時期に追加された周辺機能
Canvas以外にも、最近のアップデートでExcel向けCopilotに複数の機能が追加されている。
- インラインサイテーション:Copilotの回答に対して深いソースリンクを提供し、内容の検証を可能にする機能。

テーマデザインスキル:生データに対して統一されたカラーパレットと構造化レイアウトを適用し、見栄えを整える機能。
変更履歴スキル(Change History Skill):ワークブックの変更履歴を時系列で表示する機能。WordのRevisions機能に相当するが、AIベースでCopilotが最近の変更内容を要約でき、共有ワークブックで「誰がどの編集を行ったか」「どの変更がAIによるものか」を把握しやすくなっている。

なお、2026年7月時点ではExcelへのCopilot機能追加は6件に上っており、今回のCanvasはそれに続く追加となる。
背景
Microsoftは以前、OfficeアプリにCopilotのフローティングボタンを追加したが、ユーザーの反発を受けて任意表示に変更した経緯がある。このフローティングボタンはWordやExcel、PowerPointの画面上に常時表示されるUIで、ユーザーからは「作業の邪魔になる」「AIを使う気がないのに押し付けられている」といった声が相次いだ。AIへの過度な露出や、実用性より先行した見せかけのAI統合に対する反発が根底にあったと言える。Microsoftはこれを「mistake」と認め、ボタンを非表示にできるよう修正した。
その反省を踏まえ、それ以降MicrosoftはOfficeアプリにおいてUI上の目立つ施策よりも、既存のワークフローに溶け込む形での実用的な機能強化に軸足を移している。Canvasはまさにその方向性に沿った機能であり、ユーザーが普段使うワークブックを離れることなくダッシュボードを得られる設計は、この路線転換を体現していると言える。
詳細はMicrosoft is adding an AI-powered Canvas to Excel that turns workbook data into interactive dashboardsを参照していただきたい。