8月31日、How-To Geekが「I built a dynamic GitHub app store with Claude, now I don't have to rely on Google for open-source app discovery」と題した記事を公開した。「Notionの代替が欲しい」とClaudeに話しかけるだけで、GitHub上のFOSSプロジェクトを候補として提示し、セキュリティチェックを挟んだうえで実際のインストールまで完結させる——そんな独自インターフェースを個人で作り上げた事例として、技術的な実装の詳細とその設計思想を紹介している。
GitHubはアプリ発見の場として機能していない
GitHubには膨大な数の無料・オープンソースソフトウェア(FOSS)が集まっている。しかし、アプリを「探す」場所としては致命的に使いにくい。カテゴリ別ブラウズもなく、インストールボタンもなく、READMEはビルドツールチェーンを知っている前提で書かれていることが多い。
GitHubにはリポジトリトピック(タグ)機能があり、「note-taking」や「password-manager」といったタグを付けられるが、それはメンテナーがきちんとタグ付けしている場合の話だ。「Notion alternative」と検索しても、アプリストアのような体験はまったく得られない。
筆者はFOSSを友人や家族に勧める際、GitHubリンクを送っても「次に何をすればいいかわからない」と言われる経験を繰り返してきた。そこで、ClaudeをAIエンジンとして使い、GitHub上のFOSSプロジェクトをアプリストアのように扱えるレイヤーを自作することにした。
仕組み:3段階の情報収集でアプリを絞り込む
使い方はシンプルだ。Claudeに「Notionの代替アプリを探したい」「オープンソースのノートアプリが欲しい」と伝えるだけで、以下の3段階で候補を収集する。
- Claudeの内部知識から候補を挙げ、GitHubでメンテナンス状況・更新頻度を確認する
- **AlternativeTo**(ソフトウェア代替案をユーザーが投票・登録するクラウドソーシング型のデータベースサイト。「Notionに似たアプリを探したい」といった用途に適している)から第2の候補リストを構築する
- 一般Web検索で記事やレコメンデーションを参照し、上記2つで漏れたプロジェクトを拾う
この3ソースをまとめて、10〜15本のアプリ候補をカード形式で提示する。各カードにはアプリ名・概要・スクリーンショット(あれば)・GitHubのスター数・フォーク数が表示される。スター数とフォーク数はプロジェクトの活発さを測る代表的な指標で、更新が止まったプロジェクトを避けるフィルタとして機能する。
実際の例として、「Notionの代替アプリ(Windows向け)」を検索した結果、AppFlowy、AFFiNE、SiYuanなどがカード表示で並んだスクリーンショットが掲載されている。スター数がリアルタイムで反映されている点が特徴だ。
インストールまで自動化:セキュリティチェックも挟む
候補の中から気に入ったアプリを選んで「これをインストールしたい」と伝えると、Claudeはインストール前にソースコードと現在のIssuesページを読み、不審な点がないかを確認する。
筆者は明示的に断っている。「これはアンチウイルスでも正式なセキュリティ監査でもない。偽陰性(見落とし)は当然ありうる」と。ただし、まったくの盲目的インストールよりはマシな追加レイヤーとして機能する、という位置づけだ。
チェックが完了すると、Claudeは実際のインストールコマンドを実行する。Windowsであれば**Winget**(Microsoftが公式に提供するWindowsのパッケージマネージャー。コマンドラインからアプリの検索・インストール・更新・アンインストールができる。macにおけるHomebrewに相当するツールと考えるとわかりやすい)を使ったインストールをPowerShellで実行する流れになる。UACの昇格プロンプト(管理者権限の確認ダイアログ)を閉じてしまった場合には、Claudeがそれを検知して2つの続行方法を提示するなど、エラーハンドリングも行われる。
インストール完了後には、アプリの起動方法とアンインストール手順もあわせて提示される。実際にAppFlowyがWindowsのスタートメニューに表示されたスクリーンショットも掲載されている。
技術スタック:Claude Codeとgh CLIの組み合わせ
この仕組みの核心は**Claude Code(AnthropicのCLIベースのAIコーディングエージェント)と、GitHub CLI(gh)**の組み合わせだ。gh apiコマンドを使ってリポジトリのライセンス情報やIssuesをClaudeが直接叩きにいく構造になっている。
※編集部の考察:Claude Codeは2025年の正式リリース以降、エージェント型のタスク実行能力が大幅に強化されており、2026年8月現在はコーディング支援にとどまらず、本記事のようなシステム操作やWeb取得を組み合わせた自律的なワークフロー構築の用途でも広く使われるようになっている。本記事の事例はその典型的な応用例の一つとして捉えられる。
Claudeに対してあらかじめ「スキル」として振る舞いを定義しておくことで、毎回プロンプトを書かずに同じ動作を再現できる設計になっている。具体的には、Claude Codeが参照するプロジェクト設定ファイル(**CLAUDE.md**)にアプリ探索・チェック・インストールの一連の手順を記述しておく形だ。CLAUDE.mdはリポジトリのルートに置くことでClaude Codeが自動的に読み込み、プロジェクト固有のルールや手順をエージェントに注入できる。詳細は公式ドキュメントを参照されたい。
「GitHubを使いこなせない人」のためのインターフェース
この取り組みの本質は、技術的なハードルを下げることにある。FOSSの恩恵を受けられるのが「READMEを読めるエンジニア」だけという現状を、AIエージェントが中間レイヤーとして吸収することで解消しようとする試みだ。
ツールとしての完成度よりも、「Claudeに話しかけるだけでアプリを探してインストールできる」というユーザー体験の設計が核になっている。技術的な前提知識なしにFOSSの世界へアクセスできるインターフェースとして、Claude Codeの活用可能性を示した事例として読むことができる。
類似アプローチを試みる際の参考リソースとして、以下をまとめておく。
- Claude Code 公式ドキュメント — セットアップから高度な使い方まで
- GitHub CLI(
gh) —gh apiでリポジトリ情報をCLIから取得する方法も記載されている - AlternativeTo — OSSの代替アプリ探しに使えるクラウドソーシングデータベース
- Winget ドキュメント — Windowsパッケージマネージャーの公式解説
詳細はI built a dynamic GitHub app store with Claude, now I don't have to rely on Google for open-source app discoveryを参照していただきたい。