8月31日、MakeUseOfが「The delimiter trick that stops Claude from asking questions when you just want a quick answer」と題した記事を公開した。Claudeを使っていると、シンプルな質問に対して「もう少し背景を教えてください」「どのようなトーンを想定していますか?」といった逆質問が返ってくることがある。Claudeはデフォルトで曖昧なリクエストを丁寧に扱おうとするため、文脈が少ないと判断するたびに確認をはさむ——これが調査・リサーチ作業の途中では純粋に邪魔になる。この記事では、その確認質問をXMLタグとインストラクションで制御する方法が詳しく解説されている。
著者のAbhijith N Arjunanは、書籍の章立て調査をしていたとき、Claudeに3つの質問を返されたことをきっかけにこの問題に向き合った。
核心は「禁止」ではなく「前提を置かせる」こと
単純に「質問するな」と命令するのは悪手だ。それをやると、本当に必要な確認まで省かれ、誤った前提で作業が進む——つまりハルシネーション(AIが事実と異なる内容をもっともらしく生成してしまう現象)のリスクが上がる。
代わりに有効なのが、以下のような「仮定して進め」系のインストラクションをプロンプトに追加する手法だ。
<instructions>
Answer directly and move the work forward.
If some information is missing, make a reasonable assumption and briefly state it.
Ask a follow-up question only if the missing information is genuinely necessary
to give a useful answer.
For straightforward research requests, do not pause for clarification.
</instructions>
<task>
(ここに実際のタスクを書く)
</task>
ポイントは<instructions>と<task>というXMLタグ(デリミタ)でプロンプトを分割していることだ。XMLタグとは<タグ名>内容</タグ名>の形式でテキストを構造化するマークアップ記法で、Anthropicは公式に、これがClaudeにプロンプトの各パーツを区別させるのに有効だと述べている。タグの名前自体に特別な意味はなく、構造を明示するための仕切りとして機能する。なお、Anthropicの学習プラットフォームClaude Academyでは、XMLタグの活用法について詳しく解説されている(参考: Structure with XML tags — Claude Academy)。元記事には掲載されていないが、実践の参考として有用なリソースだ。
この指示により、Claudeは「情報が不足していても答えられるタスクだ」と判断できるようになる。仮定を置いて、それを一言で明示してから作業を進める——という動作に切り替わる。
どこに貼るかで効果の範囲が変わる
この指示を貼り付ける場所は3択だ。
- Settings(プロフィール設定): 全チャットに適用される
- Project の Instructions: そのプロジェクト内だけに適用される
- プロンプトのインライン: 1回限りの単発タスクに適用される
著者はすべてのチャットに適用するのは「やりすぎ」と判断し、書籍リサーチ用のProjectに限定して設定している。他の用途ではClaudeに普通に質問させたいからだ。Projectのインストラクションが大半のユーザーにとって現実的な落としどころだろう。
「質問させたい」場面には条件付きバージョンを使う
中心的な論点を決めるような、本当に曖昧なタスクのときは逆に質問してほしい。そういう場合は、以下の条件付きバージョンが使いやすい。
Make reasonable assumptions when you can and state them briefly.
If the task is too ambiguous to produce useful work without clarification,
ask at least one concise question that would resolve the most important uncertainty.
Otherwise, proceed without asking questions.
「必要なら1つだけ質問していい」という余地を残すことで、Claudeが適切な判断を下せるようになる。
指示は使いながら育てるもの
最初のバージョンが完璧である必要はない。Claudeが間違った仮定を置いたら、その都度インストラクションを修正すればいい。まだ質問が多いと感じるなら、以下の一文を追加すると効果がある。
For straightforward requests, answer immediately rather than asking for optional preferences or additional context.
Anthropic自身も、プロンプトは一発で完成させようとせず、テストと反復を繰り返すことを推奨している。
詳細はThe delimiter trick that stops Claude from asking questions when you just want a quick answerを参照していただきたい。