8月27日、SiliconAngleが「Workday posts strong earnings and revenue amid rapid uptake of its AI agents」と題した記事を公開した。この記事では、WorkdayのAIエージェントが業績を牽引し、第2四半期決算が市場予想を上回ったことについて詳しく紹介されている。
AIエージェントが新規ACVの25%超を牽引
HRMSクラウドソフトウェア大手のWorkdayは、2027年度第2四半期(2026年7月期)の決算を発表した。
主要数字は以下の通りだ。
- EPS(非GAAP): $2.75(市場予想$2.61を上回る)
- 売上高: 26.5億ドル(市場予想26.4億ドルを上回る)
- 純利益: 6.32億ドル(前年同期の2.28億ドルから大幅増)
- 12ヶ月サブスクリプション残高: 90.3億ドル(前年比+14.2%)
- サブスクリプション残高合計: 274億ドル(前年比+8%)
決算で特に目を引くのが、AIエージェントの採用状況だ。共同創業者兼CEOのAneel Bhusri氏は「AIが新規ACV(年間契約額)の25%超を占め、自社開発エージェントを1つ以上利用している顧客数が5,500社を超えた」と述べた。
WorkdayはHR管理・財務・給与計算・支出・計画管理向けのクラウドSaaSを提供しており、Netflix、ジョンズ・ホプキンス大学、Thomson Reutersを含む世界1万1,500社以上が顧客だ。
なお、Workdayが展開するAIエージェント基盤は「Workday Illuminate」と呼ばれるプラットフォームで、HR・財務領域の業務プロセスに特化したエージェントを複数提供している。採用スクリーニングや経費承認、予算計画の自動化など、基幹業務に直結するユースケースが中心だ。今回報告された5,500社超という導入社数は、このIlluminateエコシステム上でのエージェント利用実績を指している。
「SaaSpocalypse」への反論
生成AIの台頭、特にAIコーディングツールがWorkdayのようなSaaSベンダーのビジネスを侵食するという懸念が投資家の間で広がっている。いわゆる「SaaSpocalypse(SaaS終焉論)」だ。これは、LLMやAIコーディング支援ツールの普及により、企業が既製SaaSを購入する代わりに内製ソフトウェアを構築できるようになるという仮説で、SaaS株全体を圧迫する要因として2025年以降たびたび議論されてきた。
これに対し、業界アナリスト企業ValoirのCEO、Rebecca Wettemann氏は明確に否定した。
「Workdayレベルのコンプライアンスとデータプライバシーとシステムの複雑さを持つアプリケーションを、誰かがバイブコーディング(vibe coding)で作るという発想は笑止千万だ。WorkdayのライバルはLLMではなく、HCM分野ではHiBobやDarwinbox、財務分野ではOracle、AIプラットフォーム分野ではServiceNowやSalesforceだ。」
さらにWettemann氏は、WorkdayのAIエージェントがアプリケーション販売を実際に押し上げていると指摘し、これは「SaaSpocalypse論とは真逆の動き」と述べた。
一方で課題も指摘した。WorkdayのAIエージェントは、WorkdayのHCMまたは財務プラットフォームを先に全面導入しなければ購入できない構造になっている。つまり、AIのアップセルはコアプラットフォームの新規受注に依存する。「ただし、AIの訴求力が強くなっているため、それがプラットフォーム乗り換えを引き起こすケースも出てきている」とも付け加えた。
通期ガイダンス引き上げ
CFOのZane Rowe氏は今回の結果を「AIが顧客拡大の戦略的ドライバーとして台頭している」ことの表れと評した。
第3四半期のサブスクリプション収益見通しは25.15億ドル(市場予想をわずかに上回る)。通期サブスクリプション収益ガイダンスは99.4億〜99.5億ドルに引き上げた(従来は99.25億〜99.5億ドル)。
株価は依然低調
好決算にもかかわらず、決算発表後の時間外取引で株価はほぼ横ばいだった。今年初来では9.8%下落しており、同期間に13%上昇したS&P 500に大きく後れをとっている。
なお、8月上旬にはプライベートエクイティ大手Silver Lakeによる買収協議報道を受けて株価が18%超急騰したが、その後交渉は不成立となり、アナリストの格下げも重なって株価は元の水準に戻っている。
詳細はWorkday posts strong earnings and revenue amid rapid uptake of its AI agentsを参照していただきたい。