8月29日、PYMNTSが「Andreessen Horowitz Targets AI Supply Crunch With New $1.1 Billion Hardware Fund」と題した記事を公開した。この記事では、Andreessen Horowitz(a16z)がAIハードウェアインフラへの投資を目的とした11億ドル規模の新ファンドを設立したことについて詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。
a16zが「Machine Age Fund」を設立——狙いはAIインフラの供給詰まり
Andreessen Horowitz(以下、a16z)は8月28日のブログ投稿で、「The Machine Age Fund」と名付けた新ファンドの設立を発表した。調達額は11億ドル(約1,700億円)。AIハードウェアを「再発明する」創業者への投資を目的としている。
投資対象は幅広い。チップ、メモリ、ネットワーキング、ストレージといったコンピュータインフラから、データセンター、ロボティクス、家庭向けAIアプライアンスといったAI実行のためのフルシステムまでを対象とする。
問題の核心:ハードウェア供給側の成長速度が需要に追いつかない
a16zが今回のファンドで訴える問題意識は明確だ。
「AIスタックのあらゆる層が、現在のサプライチェーンの能力、物理学とコンピュータサイエンスの限界にぶつかっている。そのため、イノベーションと投資への緊急のニーズがあり、電力供給に至るまでをプラットフォームとして再設計する、一世代に一度の機会がある」
具体的に不足しているとされる要素として、同社は以下を挙げている。
- より高速で効率的なシステム
- 安価で高帯域幅のメモリ
- ノード・システム間のより高速でスケーラブルなインターコネクト
- 電力効率の高いエッジデバイス
- 冷却・素材・電力・不動産の整備
特に指摘が鋭いのは次の数字だ。「ハードウェア産業の供給側は年間20〜30%の成長が精一杯であり、需要に追いつくために必要な3桁成長には程遠い」とa16zは述べている。AIモデルの学習・推論に必要なコンピューティング需要が爆発的に増加している一方、GPUやHBM(高帯域幅メモリ)の製造能力は短期間では簡単に増やせない——そのボトルネックを直接狙いに行くファンドだ。
a16zのAIインフラ投資はこれが初めてではない
今回の発表は、a16zにとってAIインフラへの連続的な大型投資の一環だ。
2024年に12.5億ドルで設立したAIインフラファンドに対し、2026年1月にはさらに17億ドルを追加投資したことが報じられている。このファンドは、技術系バイヤー向けのAIソフトウェア(基盤モデル、ネットワークセキュリティ、コーディングアプリケーションなど)を対象としていた。
共同創業者のBen Horowitzは当時、「ファンドのパフォーマンス評価には通常数十年かかる」としながらも、「今のところ、私がこれまで見た中で最高レベルのファンドの一つだ」とコメントしている。
AIインフラへの資金流入は業界全体のトレンド
a16zだけではない。同分野への資金流入は相次いでいる。
- アブダビの投資会社MGXは7月1日、AIテクノロジースタック全体への投資を目的とした「MGX Fund I」で490億ドル(※元記事では49 billion)の調達を発表した。
- USD.AIは同じく8月28日、デジタル資産プラットフォームのBullishから1億ドルのステーブルコインベースのデット・ファシリティを確保し、GPU融資エコシステムの拡充を進めると発表した。
AIインフラの「供給詰まり」を解消しようとする動きが、VC・投資ファンド・フィンテック的アプローチを問わず同時多発的に起きている構図だ。
詳細はAndreessen Horowitz Targets AI Supply Crunch With New $1.1 Billion Hardware Fundを参照していただきたい。