8月17日、SiliconANGLEが「OpenAI leases 10-gigawatt AI data center campus from SoftBank's SB Energy」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIがSoftBank傘下のSB EnergyからオハイオのAIデータセンターキャンパスを20年間リースすることで合意した件について詳しく紹介されている。
10ギガワット超のキャンパス——その規模感
AIインフラ投資が「億ドル単位」から「兆ドル単位」へとシフトしている。今回のOpenAIの発表は、その象徴的な事例だ。
OpenAIは、オハイオ州に建設中の大規模データセンターキャンパスを20年間リースする契約を締結した。建設を主導するのはSB Energy——SoftBankグループの子会社で、データセンターおよびエネルギーインフラの開発を手がける企業だ。キャンパスの所有・運営はSB Energyが担う。
規模の数字が際立っている:
- 電力インフラ:10ギガワット以上
- 発電所建設コスト:33億ドル(約4,800億円)
- 送電線の建設費:42億ドル(約6,000億円)
- Nvidiaチップの搭載総額:数千億ドル規模(WSJ報道)
キャンパスは、かつてウラン処理施設があった跡地に建設される。建設完了は2032年を予定しており、最初の800メガワット分のコンピューティング容量は2028年に稼働開始する見込みだ。雇用創出効果として、建設期間中に3万5,000人、長期的な維持管理で2,500人の雇用が見込まれている。
Nvidiaが「バックストップ」として関与
このプロジェクトで特異な点は、Nvidiaの関与の深さだ。
Nvidiaは最初の4.25ギガワット分のデータセンター容量に対してバックストップ(損失補填保証)を提供する立場にある。WSJの報道によれば、OpenAIがリースを破棄し、別のテナントも見つからなかった場合、NvidiaはSB Energyの損失を補填する義務を負う。その上限額は1,050億ドルに達するという。バックストップ契約とは、一般に特定の条件下で損失を引き受けることを保証する契約形態を指す。
さらにNvidiaは、SB Energyに15億ドルの出資を行う。SB Energyは早ければ来月にも上場を目指しており、Reuters報道によると最大500億ドルの評価額を狙っている。Nvidiaにとって、上場前の出資は早期リターンの機会でもある。
「閉ループ空冷」で水消費を削減
技術面では、冷却システムの設計が一点言及されている。
OpenAIは今回、「閉ループ・空冷式冷却システム」を採用することで水の補充が不要になると説明している。従来のデータセンター冷却では、サーバーの熱を吸収するために水を蒸発させる「蒸発冷却」方式が一般的で、継続的な給水補充が必要なため水消費量が大きい。閉ループ方式ではその補充が不要になるという。
なお、元記事では冷媒の具体的な成分やシステム構成の詳細は開示されていない。
Stargate構想との連続性
OpenAIは今年1月、Stargateプロジェクトとして米国内のAIインフラに最大5,000億ドルを投じる計画を発表している。今回のオハイオのキャンパスは、その延長線上に位置する。SoftBankはStargateの主要出資者の一角でもあり、SB EnergyはOpenAIのPorts & Pikeプロジェクトの一環として本件に参画している。
詳細はOpenAI leases 10-gigawatt AI data center campus from SoftBank's SB Energyを参照していただきたい。