8月17日、Digital Trendsが「Meta and Google just got beaten by an AI giant you might not expect」と題した記事を公開した。AIモデルの競争でまず名前が挙がるのはOpenAI、Google、Meta、Anthropicだが、オープンウェイトモデルの世界では、AlibabaのQwenが過去6か月で30億ダウンロードを記録し、Metaの約2億2700万、Googleの約4億1800万を大差で引き離している。
ダウンロード数30億:MetaとGoogleを大差で抑えるQwen
オープンウェイトモデルとは、重みが公開されており、誰でもダウンロード・改変・再利用できるモデルを指す。商用クローズドなAPIとは異なり、開発者が自社データでファインチューニングし、独自プロダクトの基盤として組み込める点が最大の特徴だ。
この分野でAlibabaが叩き出した数字は別次元だ。同社によると、Qwenファミリーは過去6か月のグローバルダウンロード数が30億を超えた。Hugging Face調べのデータでは、Googleのオープンモデルが約4億1800万ダウンロード、Metaが約2億2700万ダウンロードとされており、Qwenはその差を圧倒的に広げている。
さらに数字を重ねると、Alibabaはこれまでに460以上のQwenモデルを公開しており、開発者コミュニティがそこから派生させたモデルはすでに30万以上に達する。
「ダウンロード」ではなく「ビルドの土台」になっている
オープンモデルのダウンロード数が重要なのは、それが単なる利用数ではないからだ。開発者はモデルをダウンロードし、独自データでファインチューニングし、まったく別のAIプロダクトの基盤として使う。つまり1ダウンロードが複数のプロダクトに化ける。
Hugging FaceはQwenを「現在のオープンAIエコシステムの最大の基盤のひとつ」と位置づけており、ファインチューニングやデプロイの選択肢として開発者が最初に検討するモデルになりつつあると報告している(Hugging Face調べ)。
この構造にはスノーボール効果が働く。Qwenを使う開発者が増えるほど特化型の派生モデルが増え、それがさらに多くの開発者を呼び込む。加えてAlibabaには自社クラウドビジネスという武器がある。東南アジアやアフリカを含む中国外の企業顧客にもQwenを展開しており、米国製の代替サービスに向かいがちな市場でのシェア獲得を狙っている。
中国勢のオープンAI攻勢
Qwenの台頭は米中AI競争に新たな文脈を加える。中国からはAlibabaだけでなく、DeepSeekなど複数の企業が性能を高めながらOpenAIやAnthropicとの差を縮めようとしている。

一方、MetaとNvidiaもここ数週間で新たなオープンAIモデルを投入しており、開発者の選択肢は増え続けている。
今回の数字が示すのは、Qwenがすでに中国市場の外で巨大な開発者ベースを獲得しているという事実だ。次のAI競争の軸は「誰が最も賢いモデルを作るか」よりも、「誰のモデルが開発者にとってビルドの土台として選ばれるか」にシフトしつつある。30億というダウンロード数は、その競争でQwenがすでに先行していることを示している。
詳細はMeta and Google just got beaten by an AI giant you might not expectを参照していただきたい。
