8月14日、DeepSeekが「DeepSeek-V4-Pro GA Release」と題した記事を公開した。DeepSeek-V4-Proの正式リリースと主要な機能アップデート、および新たなAPI料金体系の導入について詳しく説明されている。
DeepSeek-V4-Proが正式リリース
DeepSeekはDeepSeek-V4-Proを正式リリースした。今回のリリースで特に強調されているのが、Agentワークフロー向けの大幅な強化だ。
DeepSeekのモデル系列では、V3系列(DeepSeek-V3など)が汎用の高性能テキスト生成に特化していたのに対し、V4系列ではAgentタスクや複雑な推論タスクを念頭に置いた設計が強調されている。V4-Proはそのフラグシップに位置づけられるモデルであり、後述するFlexible Reasoning Effortをはじめとする推論制御機能を最大限に活用できる。一方、V4-Flashは軽量・高速寄りの選択肢として存在しており、Flexible Reasoning Effort自体はV4-Flash側にも導入されているが、最大推論能力や総合精度ではV4-Proが上位に位置する。
リリースに合わせてDeepSeek appおよびWebでも利用可能になっており、「Expert Mode」として選択できる。API経由での利用も可能で、APIで指定するモデル名に変更はなく、既存のコードをそのまま使い続けられる点は実用上の重要なポイントだ。詳細はAPIドキュメントを参照されたい。
最大の注目点:Flexible Reasoning Effort
エンジニアが最も注目すべきは、V4-ProおよびV4-Flashに導入されたFlexible Reasoning Effort(推論負荷の柔軟制御)だ。
タスクの複雑度に応じて推論の深さを3段階で切り替えられる:
- low:単純なタスク向け。レスポンス速度を優先
- high:日常的なAgentワークフロー向け
- max:複雑なタスク向け。推論を最大限に使う
この仕組みは、OpenAIがo1やo3シリーズで採用している推論レベル制御(reasoning_effortパラメータ)に相当するものだ。OpenAIのアプローチでは推論モデルと非推論モデルが明確に分離されているのに対し、DeepSeekのV4系列では同一モデル内で推論深度をパラメータとして切り替えられる点が特徴と言える。用途に応じてコストと精度のトレードオフを明示的にコントロールできるため、Agentワークフローのように多数のAPIコールが発生するユースケースではコスト管理の観点で大きな意義がある。詳細はThinking Modeガイドに記載されている。
Native OpenAI Responses API対応とCodex連携
OpenAI Responses APIをネイティブサポートしたことで、OpenAIのエコシステムとの互換性がさらに高まった。OpenAI Responses APIは、従来のChat Completions APIに対してツール呼び出しや状態管理をより構造的に扱うために設計された新しいAPIインターフェースであり、Agent構築に適している。
DeepSeek-V4-ProがこのResponses APIをネイティブでサポートしたことにより、OpenAI SDKや関連ツールチェーンをそのまま流用しながらDeepSeekのモデルへ切り替えることが可能になった。特にCodexとの連携がワンクリックセットアップで対応しており、OpenAIベースで構築した既存のエージェントやパイプラインをDeepSeek側に移行・併用しやすくなっている。OpenAI互換エコシステムとの統合を重視する開発者にとっては実用的なアップデートだ。
ベンチマーク
公式が公開したベンチマーク比較表は以下のとおりだ。

比較表にはMATH、GPQA、LiveCodeBenchなど複数の評価軸が含まれており、競合モデルとの比較がまとめられている。画像が参照できない環境では元記事のベンチマークセクションにて原表を確認されたい。
新たなAPI料金体系:ピーク/オフピーク制の導入
V4ラインナップのリリースに合わせ、新たなAPI料金体系が導入される。注目点はピーク・オフピーク料金制の導入で、オフピーク時の料金はピーク時より50%安い。バッチ処理や非同期ジョブなど、時間帯を選べるワークロードであればコストを大幅に削減できる。
新料金は2026年8月16日 16:00 UTCから適用される。

入力・出力トークンあたりの具体的な単価については料金表画像を参照されたい。画像が参照できない環境では元記事の料金セクションにて詳細を確認されたい。
詳細はDeepSeek-V4-Pro GA Releaseを参照していただきたい。