8月11日、Digital Trendsが「Google is testing an AI-first homepage, and the Search button is reportedly taking a back seat」と題した記事を公開した。Googleのホームページから「Google 検索」ボタンが消え、代わりにAI機能ボタン3つが並ぶ新レイアウトがテストされていることを伝えている。何十年も変わらなかったあのシンプルな検索画面が、いよいよAI優先の設計へと塗り替えられようとしている。
「検索」ボタンが消え、AIボタン3つが並ぶ
Search Engine WatchがChrome・Edge・Cometの3ブラウザで独自確認したところ、google.comにアクセスすると従来の「Google 検索」ボタンが消えた新レイアウトが表示されるケースがあるという。ただし対象はログアウト状態の一部ユーザーに限られており、場所・ブラウザ・セッションによって表示の有無が変わる。Googleも変更の範囲を公式に認めていない。
なお、CometはPerplexity AIが開発中のAI統合型ブラウザで、2025年に発表された比較的新しいプロダクトだ。主要ブラウザに加えてこのCometでも確認されていることは、テストの対象範囲の広さを示唆している。
代わりに検索バーの下に並ぶのは、以下の3つのボタンだ:
- Create images(画像生成)
- Ask about files(ファイルへの質問)
- Brainstorm(Geminiとのブレスト)
このうちAsk about filesとBrainstormはログインなしで利用可能とのこと。PDFや文書をアップロードして質問したり、Geminiと思考を整理したりする操作が、未サインインでも行えるという設計だ。一方、Create imagesはサインイン必須。計算コストが大きい画像生成を匿名ユーザーに開放しないのは当然の判断だろう。
なお「I'm Feeling Lucky」ボタンは新レイアウトでも生き残っており、検索バー内のAI Modeボタンも引き続き表示されている。

何が変わったのか、何が変わっていないのか
現在のgoogle.comのホームページは、ロゴ・検索バー・「Google 検索」ボタン・「I'm Feeling Lucky」という構成で何十年も維持されてきた。Googleはその「シンプルさ」をブランドの一部として守り続けてきた経緯がある。ページの読み込みが軽く、余計な要素を一切排除したあのデザインは、かつてポータルサイトが乱立した時代にGoogleが差別化に成功した象徴でもあった。
今回のテストはその哲学との決別の予兆とも読める。ログアウトユーザーに対してすら、最初にAI機能を提示するという設計は、「検索」を主役から脇役へ押しやる優先順位の変化を示している。ユーザーが検索ボタンを探す前に、まず画像生成・ファイル質問・ブレストという選択肢が目に入る構造だ。
また、Googleは2024年にAI Modeを検索結果ページに本格導入し、検索バー内のタブとしてAI応答を前面化する施策を段階的に進めてきた。今回のホームページレイアウト変更は、そうしたAI統合の流れがトップページにまで及んだものと位置付けられる。ただし現時点ではA/Bテストの段階であり、Googleは範囲を明かしていない。記事の筆者も「従来のレイアウトの終焉を断言するつもりはないが、GoogleのAI戦略への傾倒は否定できない」と述べるにとどめている。
Geminiユーザーには見慣れたUI
新ボタンの構成は、GeminiのチャットUIに慣れたユーザーにとってはなじみのある操作感だ。ファイルのアップロードや画像生成はGemini.google.comで提供されている機能と重複しており、Googleが両サービスの体験を統合しようとしていることが透けて見える。
AI検索をめぐっては、Perplexity AIやChatGPTのSearch機能など、Googleのコアビジネスを直撃する競合が台頭している。従来の「10本の青いリンク」モデルからの脱却を急ぐ背景は明確だ。google.comは依然として世界最大のトラフィックを誇るウェブサイトであり、そのホームページのデザイン変更は単なるUIの刷新ではなく、Googleが「検索エンジン」から「AIアシスタントのポータル」へと自己定義を書き換えようとしているシグナルとして受け止めるべきだろう。
詳細はGoogle is testing an AI-first homepage, and the Search button is reportedly taking a back seatを参照していただきたい。