8月9日、TechSpotが「Meta CTO says employees should use AI productivity gains to do more work, calls request for extra days off "very dumb"」と題した記事を公開した。この記事では、MetaのCTO Andrew Bosworthが「AIで生まれた余剰時間はさらなる仕事に充てるべきだ」と社内Q&Aで発言し、休暇取得を求めた社員を一喝した件について詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。
「休暇を増やせ」という質問に「非常に愚かだ」
2026年7月、Metaの社内Q&Aで、ある社員が「AIによる生産性向上をきっかけに、廃止されたホリデープログラム『Meta Days』を復活させることはできないか」と質問した。Meta Daysとは、社員に数日間の追加休暇を与えていた制度で、すでに廃止されている。
CTO Andrew Bosworthの返答は手短だった。「Meta Daysについて聞くのはやめろ。非常に愚かだ(very dumb)」と言い放ち、そのうえで自身の考えを明示した。
「私たちの余剰時間をどう使うべきか。私が願うのは、毎日私たちのプロダクトを使うユーザーのために、さらに多くの、よりクールなものを作ることだ」
さらにBosworthは自分を例に挙げた。「私は1時間余裕が生まれたとして、その時間に何をするか?それをそのまま仕事に注ぎ込む」と述べたという。3名の出席者がBusiness Insiderに証言した内容である。
「親に聞いてみろ」発言と、その後の謝罪
Bosworthの発言はさらにエスカレートした。「ボスに会うたびに休みを増やせと聞く、そんな姿勢をお前の親はどう思うか、聞いてみろ」と社員全体に問いかけた。キャリア戦略として筋が悪い、と暗に指摘する形だ。
ただし、この発言の直後にBosworth自身が「言い過ぎた」と謝罪している。質問は「冗談半分(tongue-in-cheek)だったと思う」とも付け加えたが、オンラインの侮辱的なメッセージに「笑」と添えるのと同じ効果しかなかっただろう、とTechSpotは評している。
「AIで休暇が増える」という期待は、少なくともMetaでは幻想
この発言の背景には、Metaの経営判断がある。同社は過去12カ月で1万〜1万1,000人の人員削減を実施する一方、AIへの設備投資は直近4四半期で924億3,000万ドルに達している。AIは社員の負担軽減ではなく、アウトプット最大化のために活用されているというのが実態だ。
Metaはかつて、社員のスクリーン、クリック、キーストロークをAIトレーニング目的で記録していたことも報じられており、「AIが社員を楽にする」というナラティブとは異なる方向に進んでいる。
なお、OpenAIのCEO Sam Altmanも最近「AIによって労働時間が短縮されることはない。なぜなら人間は働くことが好きだから」と発言している(関連記事)。
対照的に、バーニー・サンダース上院議員はJoe Rogan Experienceへの出演時に「AIで生まれた余剰時間は、追加タスクではなく労働者に返すべきだ」と主張している(関連記事)。
AI時代の「生産性向上の果実」は誰のものか
「AIで生産性が上がったら、その分だけ休める」という期待は、少なくとも大手テック企業の経営層には共有されていない。Bosworthの発言は本音を露わにしたという点で、むしろ率直ではある。AIが生み出す余剰時間を誰が享受するのか——この問いは、今後の労働環境を巡る議論の核心になっていくだろう。
詳細はMeta CTO says employees should use AI productivity gains to do more work, calls request for extra days off "very dumb"を参照していただきたい。