8月9日、Christoph Schwaigerが「I built a Claude agent to manage my inbox」と題した記事を公開した。Claudeのスケジュールタスク機能をGmailと連携させることで、受信メールの仕分け・返信ドラフトの自動生成・カレンダーへのイベント登録までをクラウド上で完全自律実行できる——ラップトップが閉じていても動き続けるのが最大の特徴だ。構築に必要なステップはわずか5つで、プログラミング知識も不要である。
プライバシーと権限:まず押さえておくべき前提
受信箱やカレンダーには機密情報が含まれる。この点についてAnthropicのテクニカルスタッフであるLamis Muktaは、「システムはデータにアクセスするたびに許可を求めるよう設計できる」と述べており、アクセス権限の粒度はユーザー側でコントロール可能だ。またClaudeが作成するのはあくまでドラフト(下書き)であり、メールが自動送信されることはない。最終送信は常に人間の判断を介する設計になっている。
こうした前提を踏まえた上で、以下の手順に進んでほしい。
「ループ」と「スケジュールタスク」——どちらを使うべきか
Claudeでエージェントを繰り返し動かす方法は主に2つある。**Claude Codeの/loopコマンドと、/scheduleコマンドによるスケジュールタスク**だ。
記事ではAnthropicのテクニカルスタッフであるLamis Muktaのコメントを引用し、メール管理にはスケジュールタスクを推奨している。
「スケジュールタスクはクラウドで動作するのに対し、ループはラップトップが起動していることが前提です」(Lamis Mukta、Anthropic)
Claudeの公式ドキュメントでも、「マシンなしで確実に動かしたいならクラウドタスク、ローカルファイルやツールへのアクセスが必要ならデスクトップタスク(ループ)」と使い分けを説明している。なおこれらの機能は有料プランが必要だ。
AIを活用したメール管理ツールはSuperhumanやMicrosoft Copilot for Outlookなど複数存在するが、Claudeのアプローチはコネクタとプロンプトだけで動作する手軽さと、スケジュールタスクによるクラウド常駐動作の組み合わせが特徴といえる。※編集部の考察
構築手順:5ステップ
1. Claudeにサインイン
管理したいメールアカウントとClaudeアカウントは必ずしも一致しなくてよいが、セットアップ中はブラウザとアプリで同一のClaudeアカウントにサインインしている必要がある。
2. コネクタを有効化
プラス記号からGmail公式コネクタを有効にする。Google Calendarも同時に接続しておくと、受信した招待メールをそのままカレンダーイベントに変換できる。Outlookを使う場合はMicrosoftのマーケットプレイスで「Claude for Outlook」を検索する。
3. スケジュールを設定
プロンプト入力前に**/scheduleコマンドを入力**するか、プラス記号からスケジュールスキルを追加する。スケジュールが有効になると、フォントの色が変わって確認できる。
4. プロンプトを入力
記事では以下の基本プロンプトを提示している:
/schedule Scan my Gmail inbox every hour and review all messages since the previous run. Create draft replies for emails that require an answer and automatically add any invites to events to my Google Calendar.
このプロンプトで「1時間ごとに受信箱をスキャン→前回実行以降の未読を確認→返信が必要なメールにはドラフトを作成→イベント招待はGoogleカレンダーに自動登録」という一連の動作が実現する。繰り返しになるが、ドラフトはあくまで下書きであり、自動送信はされない。
5. 設定を確認
「スケジュールタスク」タブから設定が正しく反映されているかを確認できる。
より精度を高めるための工夫
基本的な設定が終わったら、以下のカスタマイズで精度が上がる。
- 重要メールの定義を教える:どんなメールを優先すべきか、何を無視すべきかをClaudeに伝える
- 送信済みメールを参照させる:自分の文体・トーンをClaudeに学習させることで、より自然な返信ドラフトが生成される
- SlackやGoogle Driveを連携する:アクティブなドキュメントへのリンクを含むクライアント返信を作成したり、受信トレイの更新をSlackに直接プルしたりできる
モデルの選択についてMuktaは「まずSonnetを試して、必要であればOpusに切り替えるとよい」と述べている。また、スケジュールタスク機能はモバイルにもロールアウトされており、外出中でも受信箱の管理が可能になっている。
他のAIツールから乗り換える場合は、既存のプロンプトをそのまま移行するところから始めるのが近道だ。「Claudeはプロンプトやスキルの更新も得意なので、まず全部移してどう動くか見るのがベスト」とMuktaは説明している。
詳細はI built a Claude agent to manage my inboxを参照していただきたい。