8月8日、MacRumorsが「Claude Code Adds Cross-Session Messaging on macOS」と題した記事を公開した。複数のターミナルセッションが互いに通信し合う機能自体は珍しくないが、今回Anthropicが選んだ設計は一味違う。会話履歴やファイルはいっさい渡さず、サマリーテキストのみを交換するという割り切り方が、この機能の実用性とセキュリティ両面を支えている。
セッション間で直接メッセージが送れるようになった
AnthropicはClaude Code バージョン2.1.224(macOS・Linux向け、8月7日リリース)にて、複数のコーディングセッションが互いにメッセージを送り合える機能を追加した。これまでは複数のターミナルウィンドウで並行作業する際、コンテキストを手動でコピーして別セッションに貼り付ける必要があったが、その手間が解消される。
この機能を支えるのは、2つの新ツールだ。
- ListAgents — 同一Mac上で動作中の他のセッションを検索する
- SendMessage — 指定したセッションにメッセージを届ける
メッセージを受け取ったセッション側では、送信元セッションへのリンク付きのカード形式で表示される。
「会話履歴ではなくサマリーだけ」が設計のポイント
セッション間でやり取りされるのはテキストのみであり、会話履歴・ファイル・パーミッション設定は共有されない。公式X(旧Twitter)アカウント「ClaudeDevs」は次のように説明している。
New in Claude Code: your sessions can now message each other. Instead of having to re-explain yourself in another session, you can now tell Claude to do it. It sends a summary (not your history or files), and the other session picks it up mid-task.
— ClaudeDevs (@ClaudeDevs) August 7, 2026
この設計が重要なのは、コンテキストウィンドウを圧迫せずに情報を橋渡しできる点にある。生の会話履歴をそのまま渡すと、受信側のトークン消費が急増し、並行セッションが多いほど破綻しやすくなる。サマリーに絞ることで、受信側は「作業中のタスクのまま」情報を受け取れる、というのがAnthropicの狙いだ。
具体的なユースケースとしてAnthropicが挙げているのは、「あるセッションでの変更が別セッションの依存関係を壊した際に警告を送る」「別セッションが待っている答えを渡す」といったケースだ。セキュリティ面では、受信したメッセージがパーミッション要求を承認したり、セッションの設定を変更したりすることはできないと元記事に明記されている。
既存のサブエージェント機能とは何が違うか
Claude Codeにはすでに「サブエージェント」や「Agent Teams」と呼ばれるマルチエージェント機能が存在する。今回のクロスセッションメッセージングはそれらとは異なり、ユーザーが自分で起動・管理している複数セッション同士を接続するものだ。Claudeが自律的に生成・管理するエージェントとは別の概念であり、人間が主導権を持ったまま並行作業を調整したいケースに向く。
異なるマシン間での通信は、iOS/AndroidのClaudeアプリとMacターミナルを繋ぐ「Remote Control」機能経由の返信としてのみ動作する、と元記事は伝えている。ローカル完結かどうかなど、セッション間通信のプライバシー詳細については、Anthropicの公式発表を直接確認することを推奨する。
制約と対応環境
- 対応OS: macOS・Linux(Windowsは非対応)
- 必要バージョン: Claude Code 2.1.224以降
同バージョンには合計32件の変更が含まれており、クロスセッションメッセージングのほか、TeamおよびEnterprise向けの新コマンドclaude self-hosted-runnerも追加されている。
詳細はClaude Code Adds Cross-Session Messaging on macOSを参照していただきたい。