8月7日、TechSpotが「OpenAI's mysterious ChatGPT device is a $300+ doughnut-shaped smart speaker with moving parts」と題した記事を公開した。OpenAIとデザイナーのJony Iveが共同開発中のAIデバイスの詳細が明らかになった。ドーナツ型の筐体に可動パーツを備え、ChatGPTの「物理的な具現化」を目指すという異色のハードウェアは、Appleとの法的対立まで引き起こしている。
ドーナツ型、可動パーツ付き、価格は$300〜$400
Bloombergの報道によると、OpenAIが開発中の謎のAIデバイスは、ホッケーパック(アイスホッケーで使う円盤状の用具)ほどのサイズのドーナツ形スマートスピーカーだ。価格は300〜400ドルとされている。
このデバイスが一般的なスマートスピーカーと一線を画すのは、「可動パーツ」を備えている点だ。スピーカーが応答する際にそれらが動き、デバイスに「個性」を与える設計だという。具体的にどんな機構かは明言されていないが、記事中では動く部位の一例として示唆される可能性の一つとして「話すときに動く偽の唇」のような形態も言及されている。あくまで示唆された可能性の一例であり、確定的な仕様ではない点には留意が必要だ。また、リスニング中には光が点灯する仕様も予定されている。
筐体は高品質な金属製で、プレミアムな外観を持つとされる。バッテリー駆動のため、家の中を持ち歩いて好きな場所に置けるのも特徴だ。
ChatGPTの「物理的な具現化」
OpenAIはこのデバイスを、単なるスマートスピーカーではなくChatGPTの「物理的な具現化(physical manifestation)」と位置付けている。カメラやセンサーも搭載予定で、視覚情報をAIに提供することで、文脈に応じた応答を可能にする。
さらに、高度なAIモデルによりユーザーとの自然な会話や、ユーザーの好みを学習してレスポンスをパーソナライズする機能も盛り込まれる見込みだ。
発売は2027年を予定している。
※編集部の考察:Amazon Echo・Google Nest Audioといった既存スマートスピーカーが数十ドル台から購入できるのに対し、300〜400ドルという価格帯はApple HomePod(第2世代・299ドル)に近い。OpenAIがプレミアム志向で市場参入を図る意図が読み取れる。また、デバイス上でのAI処理(いわゆるオンデバイスLLM)をどこまで実装するかは発表されていないが、クラウド依存度がコストや応答速度に直結するため、今後の仕様開示が注目される。
開発の経緯とAppleとの法的トラブル
このデバイスの開発は、OpenAIが元AppleデザイナーのJony Iveが率いるスタートアップ「io」を株式交換により65億ドルで買収すると発表した2025年に始まった。2025年11月には最初の動作プロトタイプが完成したと報じられており、Sam Altmanはそのデバイスを「シンプルで美しく、遊び心がある」と表現していた。
一方、Appleはこのデバイスの製造過程に関連してOpenAIを提訴している。AppleはOpenAIがAppleの製造パートナーに対して、Appleの機密の金属仕上げ技術を使うよう虚偽の説明をしたと主張している。OpenAIは「Appleの製品とはまったく異なる、全く新しいものを作っている」と反論している。
スマートスピーカーはあくまで「第一弾」
OpenAIのハードウェア展開はこれだけではない。
- 2025年1月には「Sweetpea」というコード名のAIイヤーバッドの存在が報じられた(ただし後の裁判資料では「ウェアラブルではない」とされた)
- 今年7月には**$230のCodex Micro**——AIコーディングエージェント「Codex」を操作するためのミニキーパッドを発売済み
Bloombergによれば、今回のスマートスピーカーはデバイスファミリーの第一弾に過ぎず、OpenAIは将来的に「スマートフォンを置き換えられるハードウェア」の開発を目指しているとされる。
GPT-4oのようなLLMをクラウドで動かすビジネスモデルから、専用ハードウェアの垂直統合へ——OpenAIがAppleやAmazonと真正面からぶつかる戦略に踏み込んでいることは間違いない。
詳細はOpenAI's mysterious ChatGPT device is a $300+ doughnut-shaped smart speaker with moving partsを参照していただきたい。