8月5日、The Decoderが「Black Forest Labs makes FLUX 3 Video generally available and claims it beats Seedance 2.0」と題した記事を公開した。注目すべきは単なる高解像度・長尺対応にとどまらない点だ。音声生成(台詞・効果音・環境音)と14言語以上の口パク(リップシンク)を単一モデルで完結させるという構成は、現時点の主要動画生成モデルには見られない組み合わせであり、動画生成AI市場における新たな軸を打ち出している。
Full HD・20秒・ネイティブ音声を備えた動画生成モデル
Black Forest Labs(BFL)は、動画生成モデル「FLUX 3 Video」をBFL APIおよびパートナー経由で一般公開した。BFLはFLUX.1シリーズで知られる画像生成AIの開発元で、Stability AIの共同創業者らが設立した企業だ。画像生成で培ったFLUXアーキテクチャの知見を動画領域に展開した形となる。
FLUX 3 Videoの主な仕様は以下の通りだ。
- 最大20秒のHD/Full HDクリップを生成
- ネイティブ音声(台詞・効果音・環境音)を同梱
- 14言語以上の口パク(リップシンク)対応
- テキスト→動画、画像→動画、キーフレーム指定、動画の続き生成、複数シーン・カメラアングルの混在に対応
- シーン内へのタイポグラフィ直接レンダリング
- ドキュメンタリーなど、世界知識を活用した複雑なプロンプトへの追従
音声と多言語リップシンクを単一モデルで提供する点が、既存競合との最大の差別化軸となっている。OpenAIのSoraやRunwayのGen-4といった主要モデルは映像品質・カメラ制御で先行してきたが、音声をネイティブに含む動画生成は現時点では標準的な機能ではない。BFLはこの空白を狙った形だ。生成サンプルはBFLブログで確認できる。
Eloランキングでの主張:Seedance 2.0・Minimax H3を上回る
BFL自身の発表によると、FLUX 3 VideoのEloスコアはテキスト→動画で1,135、画像→動画で1,051とされている。このスコアはGemini Omni Flash、Minimax H3、Seedance 2.0を上回るとBFLは主張している。
Eloスコアは人間の選好投票に基づく相対的な指標であり、評価設計や比較対象の選定次第で結果が変わりうる。今回の数値はBFLが自社で実施したベンチマークに由来するものであり、第三者機関による独立した検証は行われていない点は留意が必要だ。動画生成分野では各社が自社基準のベンチマークを発表するケースが多く、横断的な比較には引き続き注意が求められる。
価格体系:秒単位課金、音声は追加料金なし
料金は動画の1秒あたりの出力に基づく課金体系だ。
| モード | テキスト/画像→動画 | 動画→動画 |
|---|---|---|
| ドラフト(HD限定) | $0.06/秒 | $0.12/秒 |
| フル品質(HD) | $0.17/秒 | $0.41/秒 |
| フル品質(Full HD) | $0.29/秒 | $0.53/秒 |
音声は全プランに含まれ、追加料金は発生しない。20秒のFull HDクリップをフル品質で生成すると、テキスト→動画で**$5.80**になる計算だ。動画→動画モードは$10.60と跳ね上がる。
RunwayのGen-4やSoraも秒単位・クレジット制の課金を採用しており、価格帯としては競合と同等の水準に位置する。音声生成が追加コストなしで含まれることを考慮すると、音声付きコンテンツを必要とするユースケースでは相対的なコスト優位が生じる可能性がある。ただしこれは元記事には明示されていない点であり、実際の制作フローでの検証が必要だ。※編集部の考察
詳細な価格はBFL公式の料金ページで確認できる。
詳細はBlack Forest Labs makes FLUX 3 Video generally available and claims it beats Seedance 2.0を参照していただきたい。