8月1日、Matthias Bastianが「Google Deepmind unveils Gemini Robotics 2 to power robots of all shapes from tabletop arms to humanoids」と題した記事を公開した。Google DeepMindが発表したGemini Robotics 2の最大の特徴は、卓上アームからヒューマノイドまで「あらゆる形態のロボットを一つのモデルで動かす」という設計思想にある。さらに上位の推論モデル「Gemini Robotics ER 2」と組み合わせることで、プランニングから動作実行までを二層構造でカバーする。ロボット知能の統一的なスタックを目指すGoogleの野心が、今回の発表に凝縮されている。
VLAモデルとして最上位の「Gemini Robotics 2」
Google DeepMindはGemini Robotics 2を発表した。同社はこれを「最も高度なVLA(Vision-Language-Action)モデル」と位置づけている。
VLAモデルとは、画像認識・言語処理・動作制御を統合し、ロボットが物理環境で動作するための基盤となるモデルのことだ。Gemini Robotics 2はその名の通り、視覚・言語・行動の三つを束ねる「知能レイヤー」として機能し、以下の能力を持つとされている。
- 全身動作の制御(ヒューマノイドロボット対応)
- 細かな手先作業(ファインモータータスク)
- 複数ロボットの協調制御
対応するロボット形態は卓上アームから全身型ヒューマノイドまでと幅広く、DeepMindはこれを「次世代の適応型ロボット向けインテリジェンスレイヤー」と表現している。
初代のGemini Robotics(2025年3月発表)はDeepMindがロボット向けVLAとして初めて本格公開したモデルであり、今回のGemini Robotics 2はその直系後継にあたる。初代が「ロボットへのVLA適用」という概念実証的な位置づけだったのに対し、2ではヒューマノイドを含む全身制御や複数ロボットの協調といった、より複雑なタスクへの対応が強化されている点が大きな進化だ。
現時点では早期アクセスのウェイトリストへの申請が可能で、開発者は専用フォームから登録できる。
上位制御系として「Gemini Robotics ER 2」も同時リリース
あわせてGemini Robotics ER 2も公開された。「ER」は "Embodied Reasoning"(身体化推論)の略で、ロボットが物理世界を理解し、次にどんな行動をとるべきかを判断する高次の制御を担う。
ER 2は今年4月にリリースされたGemini Robotics ER 1.6の後継にあたる。Gemini Robotics 2が低レベルの動作制御を担うのに対し、ER 2はその上位に位置するプランニング層として機能する設計だ。
ER 2はすでにGoogle AI Studioでプレビュー版が利用可能となっており、Gemini Robotics 2よりも早く試せる状態にある。
整理:2モデルの役割分担
| モデル | 役割 | 提供状況 |
|---|---|---|
| Gemini Robotics 2 | 動作制御(VLA) | ウェイトリスト申請中 |
| Gemini Robotics ER 2 | 高次プランニング(上位制御) | Google AI Studioで利用可能 |
ロボット制御のスタックとしては、ER 2が状況を判断して指示を出し、Gemini Robotics 2がそれを実際の動作に変換する、という二層構造が想定されている。
GoogleがDeepMind経由でロボティクスに注力する背景
今回の発表は、Googleがロボティクスを次の主戦場と位置づけていることを改めて示すものだ。DeepMindは2023年ごろからRT-2などのロボット向けVLAモデルの研究を本格化させており、Gemini Roboticsシリーズはその研究成果を製品・API化する流れの中に位置づけられる。
ヒューマノイドロボット開発をめぐっては、Figure・1X・Agility Roboticsといったスタートアップが競争を続けている。これらの企業がハードウェア開発に注力する一方、Googleは「ロボットの頭脳となるソフトウェア基盤」の提供者としてエコシステムの中心を狙う戦略を取っていると見られる。形態を問わずあらゆるロボットに対応する統一モデルという設計思想は、まさにそのポジショニングを体現したものだ。
※編集部の考察:特定のハードウェアに依存しない汎用VLAを押さえることで、将来的にロボット産業のインフラ層を握る狙いがあるとも読める。LLMのAPI提供でAIエコシステムの中核に位置したように、ロボティクスでも同様の構造を作ろうとしているのかもしれない。
詳細はGoogle Deepmind unveils Gemini Robotics 2 to power robots of all shapes from tabletop arms to humanoidsを参照していただきたい。