7月26日、9to5Googleが「What Google has teased about Gemini 4」と題した記事を公開した。GoogleのCEO Sundar Pichaiが決算説明会で「Gemini 4をトレーニング中」と明言し、同社にとって「これまでで最も野心的な事前学習ラン」と位置づけていることが明らかになった。現行世代のGemini 3.5 Proが遅延を抱える中、次世代モデルへの大規模投資を公言した格好だ。
Gemini 3.5 Proが遅延する中、Gemini 4のトレーニングが進行中
GoogleのGemini 3.5 Proは当初2026年6月のリリースが予定されていたが、遅延が発生しており、現時点でもパートナー向けのテスト段階にとどまっている。そうした中、Googleはすでに次世代モデル「Gemini 4」のトレーニングを開始していることを明らかにした。
Gemini 4が初めて言及されたのは、Gemini 3.6 Flash、3.5 Flash-Lite、3.5 Flash Cyberの発表と同時だった。Googleはこの場で、「次世代モデル」の開発が進行中であり、今回が同社にとって「これまでで最も野心的な事前学習ラン(pre-training run)」だと述べた。
なお、GoogleのGeminiシリーズはおおまかに「Ultra(最上位フロンティア)/Pro(高性能汎用)/Flash(軽量高速)」というティア構成を取っており、Gemini 4はそのフロンティア枠にあたる次世代モデルとして位置づけられる。
SundarがQ2決算で語った「Gemini 4は大規模ベースモデルが必要」
Alphabet Q2 2026決算説明会では、CEOのSundar Pichai自身がGemini 4について言及した。アナリストから「GeminiモデルがAIフロンティアに留まり続けられるか」と問われたPichaiは次のように答えた。
フロンティアは非常にダイナミックで、猛烈なスピードで進化している。われわれは明らかにフロンティアモデルを持ってきたし、今もフロンティアに位置している属性は多い。一方で、改善が必要な領域があることも認めている。コーディングとエージェント型コーディングはその一例だ。チームは非常に集中して取り組んでいる。
Pichaiはさらに、Gemini 4に向けたアプローチを明確にした。
次世代のフロンティアには、はるかに大規模なベースモデルが必要になる。われわれは今Gemini 4をトレーニングしており、非常に野心的に取り組んでいる。社内で見ている進捗に大変興奮している。外部に公開した際、人々が満足してくれると確信している。
「より大規模なベースモデルが必要」という発言は、現行世代との明確なスケールアップを示唆している。LLMの性能を左右する要因としては、モデルのパラメータ数・学習データ量・計算リソース(FLOPs)がよく知られるが、実際にはアーキテクチャの設計や強化学習・ファインチューニングといった学習手法も大きく影響する。Pichaiの発言は特に「大規模ベースモデル」、すなわち事前学習段階への重点投資を強調したものとして読める。
※編集部の考察:「大規模ベースモデル」の強化は、下流の推論効率や多様なタスクへの汎用性を底上げする基盤になりやすい。Flashシリーズのような軽量派生モデルの品質にも波及する可能性がある。
TPU(Tensor Processing Unit)の優先配分先はGemini 4
TPUの内外需要バランスに関する質問に対しても、Pichaiは優先順位を明言した。
TPUの配分において、われわれの最優先事項は、AGI開発という観点でフロンティアに競争するために必要なリソースを確保することだ。それがわれわれのすべての取り組みの基盤である。
GoogleのTPUはクラウド顧客にも提供されているが、Gemini 4のトレーニングがその最優先用途であることが確認された形だ。Google独自のTPUはGoogle Cloud公式ドキュメントでも概要が公開されており、大規模モデルの学習に特化した設計が採られている。
リリース時期と今後のFlashロードマップ
過去のリリースサイクルに基づくと、Gemini 4のリリースは2026年11月〜12月が見込まれる。
一方でGemini 3.x Flashシリーズについては、引き続き継続的な改善が予定されている。Pichaiは「エージェント型コーディングなどの領域でさらなる進化を加えながら、ほぼ月次のペースでモデルをリリースすることを目標にしている」と述べた。
Pichaiがコーディング・エージェント領域での課題を自ら認めた点は率直だ。この領域ではOpenAI Codexをはじめとする各社の取り組みが活発であり、競争環境は引き続き激しい。Gemini 4が「より大規模なベースモデル」によってその差を埋められるかどうかが、今後の焦点になる。
詳細はWhat Google has teased about Gemini 4を参照していただきたい。