7月24日、Hackadayが「Codeberg Bans Cryptocurrency And LLM-Generated Code Projects」と題した記事を公開した。コミュニティ主導のOSSホスティングサービス「Codeberg」が、賛成358票・反対144票のコミュニティ投票を経て、LLM生成コードおよび暗号通貨関連プロジェクトの受け入れを正式に禁止した。GitHubがMicrosoftの傘下でCopilotを積極推進する方向にある中、真逆の立場を鮮明にした形だ。
コミュニティ投票で決定、賛否は358対144
Codebergは、営利企業に依存しないコミュニティ主導のオープンソースホスティングサービスだ。GitHubやGitLabのような商業サービスに対するFLOSS(自由・オープンソースソフトウェア)寄りの代替として知られている。
今回の禁止はトップダウンの決定ではなく、コミュニティ投票によって定められた点が重要だ。公式ブログによれば、投票では2つの議題が扱われた。
- 議題1:プロジェクトコードをLLMの学習用にスクレイピングすることの禁止 → 大差で可決
- 議題2:LLM(Claude、OpenAI Codexなど)によって実質的に生成されたコードのプロジェクトの禁止 → 賛成358票、反対144票で可決
議題1は比較的コンセンサスを得やすいが、議題2は「生成物そのものの禁止」という踏み込んだ内容だ。それでも賛成が反対の2.5倍近くに上ったことは、コミュニティの意志を明確に示している。
利用規約への反映も済んでおり、LLMに関する変更と暗号通貨に関する変更のコミットが公開されている。
禁止の根拠:ライセンス問題、ハードウェアコスト、コミュニティの破壊
公式ブログでは、LLM生成コード禁止の理由として複数の観点が挙げられている。
1. ライセンスの「ホワイトウォッシング」
LLMはオープンソースコードを学習データとして取り込み、そこから生成したコードには元のライセンス情報が失われる。これは実質的にライセンスの回避であり、OSSのエコシステムへのフリーライドだという指摘だ。
2. ハードウェアコストの外部化
AIデータセンターの急拡大による計算資源需要の増大が、Codebergのインフラコストを過去数年で大幅に押し上げた。スクレイピングによるトラフィックや関連負荷のコストが、Codebergのような非営利コミュニティに転嫁されている構図だ。
3. OSSコミュニティへの破壊的影響
ブログではさらに、LLMツールの普及がOSSコミュニティ自体を毀損しているという点も言及されている。Hackadayが以前報じた「Vibe CodingがオープンソースをいかにKillしているか」に関する研究がその根拠として挙げられている。
加えて、LLMの継続的な利用がユーザーの認知能力を低下させるという研究も参照されており、Codebergはこれを「スクレイピングを禁じるなら、生成物も禁じるのが一貫している」という論理でまとめている。
「禁止」の執行はどうするのか
議論の核心は「どうやって判定するのか」だ。LLM生成コードを機械的に検出する確実な手段は現状存在しない。Codebergがどのような運用基準を設けるかは、今後の課題として残る。コミュニティ主導のプラットフォームである以上、通報ベースの対応が主軸になると予想されるが、詳細な執行方針は現時点で明示されていない。
背景:暗号通貨プロジェクトの禁止も同時期に実施
LLM禁止と同じ流れの中で、Codebergは暗号通貨関連プロジェクトについても禁止を決定している。前述の利用規約コミットでも両者は並列して記録されており、「FLOSSコモンズ(共有財)の保護」という観点からコミュニティが有害と判断したカテゴリを排除する姿勢を一貫させた形だ。
GitHubがMicrosoftの傘下でCopilotを積極推進する方向にある中、Codebergが真逆の立場を鮮明にしたことは、OSSホスティングの思想的な分岐点として記録に残る動向だろう。
詳細はCodeberg Bans Cryptocurrency And LLM-Generated Code Projectsを参照していただきたい。