7月23日、Linuxiacが「Codeberg Bans Projects Mostly Written by Generative AI」と題した記事を公開した。非営利のGitホスティングプラットフォームCodebergが、生成AIによって主に書かれたコードで構成されるリポジトリを利用規約で禁止したことを詳しく伝えている。
Codebergとは——フリー・オープンソースに特化した非営利Gitホスティング
Codebergは、フリー・オープンソースソフトウェア(FOSS)の開発・公開に特化した非営利のGitホスティングサービスだ。ドイツを拠点とする非営利団体Codeberg e.V.が運営しており、オープンソースのソフトウェアフォージForgejo上で動作している。GitHubや GitLabの商業主義的な方向性に距離を置くFOSSコミュニティを中心に支持を集めており、欧州を中心に一定の存在感を持つ。
その方針は「商業的な利益ではなくコミュニティの理念に基づく運営」を掲げており、今回の規約変更もその姿勢の延長線上にある。
AIコード禁止をプラットフォームレベルで明文化
Codebergは今回、「大部分が生成AIによって書かれたコードで構成されるプロジェクト」の登録を禁止するという制限を利用規約に追加した。
対象となるのはClaudeやOpenAI Codexをはじめとする生成AIツールによって生成されたコードが大半を占めるリポジトリだ。この変更は、コミュニティのガバナンスプロセスを通じて議論・承認された提案(pulls/1253)に基づくものであり、トップダウンの決定ではなくコミュニティ主導である点も注目される。
利用規約の該当箇所は以下のように記されている:
「"生成AI"ツール(Claude、OpenAI Codexなどのサービスを含む)によって主に書かれたコードで構成されるプロジェクトを共有してはならない。そのようなプロジェクトは著作権上のステータスが不明確であり(要件§2(1)1および§2(1)3参照)、さらに有害なコードを含まないことを保証するための十分な保護機能を持っていない(§2(1)5参照)。」
禁止の根拠は「著作権の不明確さ」と「有害コードのリスク」
Codebergが挙げる理由は2点だ。
- 著作権の不明確さ:AI生成コードおよびその学習データの法的ステータスが未解決であること
- 有害・悪意あるコードのリスク:生成AIツールには有害なコードを出力しないための十分なセーフガードがないこと
著作権をめぐる問題は世界的に議論が進んでいる領域だ。米国著作権局はAI生成コンテンツの著作権登録に関するガイダンスを公表しており、AI出力物への著作権保護は原則として認められないとの立場を示しているが、法的な整理は各国で進行中であり、リポジトリホスティング事業者として明確な基準を引くことが難しい状況にある。Codebergはこの不明確さ自体をリスクと判断した形だ。
開発の補助としてAIを限定的に使うことは引き続き認められる。あくまでも「コードの大半が生成AIによって書かれているかどうか」が基準となる。
なお、元記事の記述によれば、AI生成コードを人間が事後的にレビューした場合でも例外にはならないとされている。生成後の関与の度合いではなく、コードの大部分を生成AIが書いたかどうかが判断軸となる。
執行方法は未定——技術的な困難が残る
Codebergは、あるリポジトリが「大半」AI生成かどうかをどのように判定するか、また実際の運用方法については明示していない。
AIが書いたコードを確実に識別することは現状では技術的に困難であり、生成結果が編集されていたり人間が書いたコードと混在していたりする場合はなおさらだ。この執行面の曖昧さは、今後コミュニティ内でも議論になると見られる。
GitHubとは真逆の方向性
今回の方針は、AIコーディングアシスタントや自律エージェントをプラットフォーム全体に積極的に統合しつつあるGitHubとは対照的な立場を鮮明にするものだ。GitHubはGitHub CopilotやCopilot Workspaceなどを次々と展開し、AI活用を開発体験の中核に位置づけている。
Codebergの今回の禁止措置は「単に推奨しない」にとどまらず、対象プロジェクトを他のプラットフォームへ移行させることを求めるものであり、プラットフォームとして踏み込んだ制限の一つとなった。
オープンソースコミュニティでは以前から、AIで大量生成されたリポジトリの質・信頼性・メンテナビリティへの懸念が存在しており、今回の動きはその問題意識を規約として明文化した事例として位置づけられる。
詳細はCodeberg Bans Projects Mostly Written by Generative AIを参照していただきたい。