7月20日、Rohail Saleemが「Apple Reportedly Grabs The OG Team Behind Open-Source Qwen, Betting on Alibaba's AI to Rescue Siri in China」と題した記事を公開した。この記事では、AppleがオープンソースQwenの開発を担った元Alibabaチームを採用し、中国市場でのSiri強化を図っているという報道について詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。
AppleがQwen元チームを採用——中国でのSiri立て直しが狙いか
AIアナリストで元Microsoftのベテラン、Robert Scobleの情報によると、Appleはオープンソース版Qwenの開発を担っていたAlibabaのオリジナルチームを採用したという。独立した確認は取れていないとされるが、Apple自身がすでにAlibabaとの連携を深めている文脈とは整合する。
Appleはすでに、中国ユーザーがApple IntelligenceのラッパーからQwenファミリーのモデルに直接アクセスできる仕組みを提供している。これはAppleユーザーがChatGPTにアクセスする現行の仕組みと同様の形態だ。Alibabaの広報担当者によれば、QwenとApple Intelligenceの統合により、「テキストや画像の理解・生成といったモデルの機能を、ツール間を行き来せずに利用できる」としている。
なぜ今、このチーム採用が注目されるのか
Qwen(通義千問)は、Alibabaが開発・公開しているオープンソースの大規模言語モデルシリーズ。中国発のオープンソースAIとして国際的な注目を集めており、そのオリジナル開発チームの知見はSiriの中国向け改善に直接活用できると見られる。
Appleの中国戦略は、AIだけにとどまらない。Financial Timesの報道によると、Appleはトランプ政権に対し、米国防総省のブラックリストに載っている中国のDRAMメーカーCXMTからの調達許可を求めてロビー活動を行っている。CXMTは中国人民解放軍との関連を理由に規制対象となっている企業だ。さらにBloombergのMark Gurmanは、AppleがCXMTおよびNANDメーカーYMTCからのメモリ調達に際し、ワシントンでの政治的摩擦を最小化すべく政権と調整中だと報じた。
中国市場向けに、メモリの現地調達からAIモデルの統合、さらには開発チームの取り込みまで、Appleが中国サプライチェーンへの関与を急速に深めている構図が浮かぶ。
現行Siriの位置づけと、その限界
記事では現行のSiriについても触れている。新しいSiriはDynamic Islandに統合され、画面上のコンテンツを認識し、パーソナライズされたコンテキストにアクセスできる。たとえば、コンサートの日程をリマインダーに追加したり、特定の画像について説明を求めた上でその画像に関連する人物の居場所へのルートを案内したりといった操作が音声で完結する。
ただし、中国市場では規制や競争環境が異なる。Qwen開発チームの採用は、ローカライズされた能力を強化する狙いだと読み取れる。
Qwen3.8とオープンソースAIの加速
記事の末尾では、AlibabaがまもなくQwen3.8をリリースする予定であることにも言及されている。このモデルはMoonshotのKimi K3を超える能力を持ち、AnthropicのClaude 5(記事中では"Fable 5"と表記)に次ぐ水準になると見られている。中国発オープンソースAIの競争力が急速に高まっている背景が、今回のAppleの動きとも重なる。
詳細はApple Reportedly Grabs The OG Team Behind Open-Source Qwen, Betting on Alibaba's AI to Rescue Siri in Chinaを参照していただきたい。