7月10日、Rachit Agarwalが「Instagram is letting people generate AI images of you. Here's how to stop it.」と題した記事を公開した。Instagramの新機能「Muse AI」によって他人があなたの写真や動画をAI画像生成の参照素材として使えるようになっており、その設定をオフにする手順と注意点を詳しく解説している。
ユーザーが知らないうちにオプトインされている
Instagramは2025年7月、自社開発のAI画像・動画生成サービス「Muse AI」を公開した。このサービスの核心的な問題は、他のユーザーがあなたの投稿写真や動画をAI生成の参照素材として使えるという点だ。しかもMetaはこの仕様をユーザーに通知しておらず、すべてのアカウントがデフォルトで有効になっている。
具体的には、プロンプトに@ユーザー名を入力するだけで、そのユーザーの投稿コンテンツを参照したAI画像・動画が生成できる仕組みだ。公開プロフィールを持つユーザーであれば、設定を変更しない限り第三者による無断利用を防ぐ手立てがない状態に置かれている。
Muse AIの技術的な詳細についてMetaは現時点で多くを公開していないが、同社はLlama系のオープンソースモデルやEMU(独自の画像生成基盤モデル)を各種プロダクトに展開してきた実績がある。Muse AIがどの技術基盤に立脚するかは明らかにされていないものの、Metaが蓄積してきた膨大なInstagramの投稿データが学習・参照に活用される可能性は否定できない。
XのGrok問題との比較
類似した問題がXでも発生している。2025年前半、XのAIアシスタント「Grok」が女性や未成年の非合意的なアダルト画像を大量生成・拡散する事態が相次ぎ、Xは対応として画像生成機能を有料プランのみに制限した(関連報道:The Verge、2025年)。
Instagramの月間アクティブユーザー数は30億人以上にのぼる。XがGrokの問題で採ったペイウォール制限という安全策を、MetaはMuse AIに設けていない。制限なし・ペイウォールなしで30億ユーザー全員の投稿を参照可能な状態で提供している点は、リスクの規模としてXの事例を上回る可能性がある。
設定を今すぐオフにする手順
対処法は1分以内で完了する。以下の手順で設定を変更できる。
ステップ1: Instagramアプリでプロフィール画面を開き、右上のハンバーガーメニューから設定を開く。
ステップ2: 「How others can interact with you」セクションの「Sharing and reuse」をタップ。
ステップ3: 「Allow people to reuse your content on Instagram and with AI features at Meta」の項目にある「Posts」と「Reels」のトグルを両方オフにする。
ステップ4(任意): 個別の投稿だけを対象にしたい場合は、該当投稿のメニューから「Turn off reuse」を選択して確認する。
設定変更だけでは限界もある
この設定はあくまでも「他ユーザーによるコンテンツの再利用を許可しない」という意思表示であり、非公開アカウントへの変更や投稿自体の削除とは性質が異なる。重要な点として、公開アカウントを維持している限り、設定をオフにしても投稿が外部から閲覧できる状態は変わらない。設定変更によってMuse AI上での参照利用は制限されるが、投稿の完全な保護を保証するものではない。
また、この設定がMetaによるAIモデルの学習そのものを止めるかどうかについては、元記事も含め現時点で明確な言及がない。MetaがInstagramのデータをモデル学習に利用していること自体はすでに広く報じられており、「再利用の拒否」と「学習データからの除外」が同義かどうかは慎重に区別する必要がある。
公開プロフィールを維持しながら活動するクリエイターにとっては、今後もMetaの仕様変更を注視し続けることが求められる。ユーザー側でできる最低限の対策として、今回紹介した設定変更を早めに済ませておくことを勧める。
詳細はInstagram is letting people generate AI images of you. Here's how to stop it.を参照していただきたい。