7月4日、MakeUseOfが「5 habits that keep me from burning through Claude's token budget」と題した記事を公開した。Anthropic製AIチャットボット「Claude」のトークン使用量を抑えながら、利用制限を最大限に延ばすための実践的な習慣5つを、筆者自身の検証結果とともに紹介している。
Claudeはコーディング・ライティング・複雑なトピックの整理において高い評価を得ているが、無料・有料問わずすべてのプランに利用制限が設けられている。この制限はトークン消費量に基づいており、単純な「メッセージ数」ではなくコンテキスト全体の読み直しコストが積み上がる仕組みだ。Claudeは回答生成のたびにその会話の全履歴を参照するため、スレッドが長くなるほど1ターンあたりのトークンコストが指数的に増大する。
Anthropicはトークンの仕組みについて公式ドキュメントを公開しており、モデルごとにコンテキストウィンドウの上限が異なる。無料プランではその制限がより厳しく、やり取りが長い会話や大量のテキスト処理では制限に達するのが早い。本記事で紹介する5つの習慣は、この構造的な問題を習慣レベルで回避するための実践的な指針だ。
最も効果的:「ケイブマンプロンプト」でトークンを約40%削減
筆者が最も大きな効果を実感したのが、筆者自身が「ケイブマンプロンプト(caveman prompt)」と命名した手法だ(元記事での筆者による呼称)。AIチャットボットは会話を円滑にするよう設計されており、長い会話では過去のやり取りを要約して繰り返したり、余計な前置きや感想を付け足したりする。これが読む側にとってもノイズになるし、トークンの無駄遣いでもある。
筆者はClaudeの「Instructions(システム指示)」欄に以下のプロンプトを設定することで、トークン使用量を約40%削減できたという。
Keep answers concise and avoid irrelevant phrases and fluff. I don't want any pleasantries either — just give me the answer as is, without any filler content if it's straightforward, and avoid recaps of earlier prompts and precursors. I need results over reasoning; if any tool is required, keep it brief and avoid straying from the original intent.
「前置き不要、要点だけ寄こせ」という指示を常設することで、回答の冗長さを根本から抑制できる。削減率は使い方によって異なるが、Claudeの応答が長くなりがちなユーザーには効果が大きい。
会話履歴の肥大化を防ぐ:15〜20メッセージで新規チャット
会話が長くなるにつれ、Claudeは過去のすべてのプロンプトを参照して次の回答を生成する。スレッドが伸びるほど1ターンあたりのトークンコストが上がり、筆者の場合は1つのプロンプトで30,000トークンを消費する場面もあったという。
対策は単純で、15〜20メッセージごとに新しいチャットを開くことだ。作業の途中であれば、「この会話を要約してください」とClaudeに依頼し、その要約文を新しいチャットに貼り付けることでコンテキストを引き継げる。長期プロジェクトや調査作業においても、話題の区切りごとにスレッドを切り直す習慣をつけるだけで消費量が大きく変わる。
繰り返し入力をなくす:指示はInstructionsに一度だけ書く
毎回同じ前提条件(「回答は箇条書きで」「専門用語は避けて」など)をプロンプトに書くのはトークンの無駄だ。Claudeには「Instructions for Claude」という設定欄があり、ここに書いた指示はすべての会話に自動で適用される。
筆者は自分の学習用途向けに、以下のような指示を登録している。
You are an expert tutor. Every time I provide lecture notes, slides, or any teaching materials, transform them into beginner-friendly notes, and assume no prior knowledge.
Give reasoning steps, avoid unnecessary jargon, and never expand beyond what is necessary; connect precursor topics to the current one when appropriate. Also, highlight any misconceptions and provide a real-life example related to the topic.
一度設定すれば、毎回この指示をプロンプトに書く必要がなくなる。Instructionsに書ける内容はペルソナ・出力形式・禁止事項など幅広く、ここを整備するだけで全会話のトークン効率が底上げされる。
残り3つの習慣
1. 間違った回答にはフォローアップではなくプロンプトを編集する
回答がズレていた場合、追加メッセージで修正を求めると会話が伸びてトークンを余計に消費する。Claudeにはプロンプトを直接編集して再送する機能があり、こちらを使うほうがコンテキスト肥大化を防げる。些細な修正依頼が積み重なると、気づかぬうちに大量のトークンを消費している場合があるため、この操作を習慣化する価値は高い。
2. タスクに合ったモデルを選ぶ
元記事によれば、ClaudeにはOpus・Sonnet・Haiku・Fableなど複数のモデルがある。高性能なOpusを単純な校正作業に使うのはトークンの無駄だ。筆者はコーディングや自動化タスクにはSonnet、学習や文書整形にはHaikuを使い分けている。なお、各モデルの最新ラインナップや提供状況についてはAnthropicの公式モデル一覧で確認されたい。
3. トークン使用量を可視化する
使用量の把握なしに節約は難しい。GitHubで公開されている無料のChrome拡張機能「Claude Counter」を使えばトークン消費の見当をつけられる。上記の習慣もすべて、このツールで使用量を追跡した結果として見えてきたものだという。元記事ではProプランでの追跡についても言及されているが、詳細は元記事を参照してほしい。
これらの習慣を組み合わせることで、筆者は1日あたりのClaudeプランの利用量を約2倍に延ばすことができたと述べている。「ケイブマンプロンプト」による約40%の応答削減と、会話スレッドの適切な分割・設定の最適化が相乗効果を生んでいる。
詳細は5 habits that keep me from burning through Claude's token budgetを参照していただきたい。