2月5日、Phoronixが「Debian's Challenge When Its Developers Quietly Drift Away」と題した記事を公開した。この記事では、Debianプロジェクトにおいてボランティアの開発者が静かに活動を離れてしまうことで生じる課題について詳しく紹介されている。
以下に、その内容を紹介する。
先月、Debianのデータ保護チームに誰もいなくなったというニュースが報じられたが、Debianでは過去にも様々な取り組みにおいてボランティアの人員確保が課題となってきた。Debianプロジェクトリーダー(DPL)であるAndreas Tille氏は、ボランティアの開発者が時間の制約や関心の変化などにより、プロジェクトに適切な通知を行わないまま静かに活動を離れてしまう「ドリフト(漂流)」の問題を注視している。
直面している問題の本質は、ボランティアが貢献を止めること自体ではなく、それが他の開発者に伝わらないまま行われる点にある。特に特定のチームに委任されたメンバーが関与を止めたり、パッケージが徐々に未メンテナンスの状態になったりした場合、周囲がその離脱を把握していなければ、状況に効果的に対処することができない。
DPLのAndreas Tille氏は、Debian開発者向けのメーリングリストへの投稿で、この状況を次のようにまとめている。
「(中略)Debianには、ボランティアプロジェクトであるからこそ見過ごされやすい、構造的な課題がある。
Debianは、人々が自由な意志で時間を提供することによって成立しており、それは深く価値のあるものだ。しかし、私たちの多くは熱意を持って参加する一方で、自身の時間やエネルギー、関心が変化した際にそれを発表するという明示的な合意をして参加しているわけではない。
私たちに欠けているのは、そうした変化を互いに伝えるための、軽量で信頼できる手段である。
多くのボランティアにとって、活動を継続しているかどうかを直接問われることは、たとえ友人や同僚からの質問であっても不快に感じることがある。お互いへの配慮から問いを避け、同様の配慮から、自身が身を引いたことを積極的に表明することも避けてしまう。その結果、責任は意識的に引き継がれたり終了したりするのではなく、静かに漂流することになる。
この力学は貢献者を保護するが、プロジェクトには実質的な影響を及ぼす。バグが放置され、セキュリティに関連するアカウントが監視されないままになり、委任された役割が形骸化するのだ。」
Tille氏は、この課題に対するいくつかのアイデアを概説している。主な内容は以下の通りである。
- MIA(Missing In Action:行方不明)チームの活用:昨年のDebConf以降、MIAチーム向けの自動化システムが議論されている。
- 自動通知プロセスの検討:一定期間(約6ヶ月)活動がないと判断された個人に対し、システムが自動的にメールを送信し、その後もステータスを確認するためのフォローアップメールを月単位で送付する。
- パッケージのアクセシビリティ維持:他の開発者がメンテナンスを引き継ぎやすい構造を維持する。
- 委任プロセスの改善:役割が形骸化しないよう、委任されたメンバーの状況をより適切に管理する。
この取り組みは、Debianプロジェクト、ひいてはあらゆるオープンソースプロジェクトの健全性にとって重要な一歩である。開発者が静かに離脱していく中で、残されたメンバーが効果的に活動を継続できる仕組み作りが求められている。
詳細はDebian's Challenge When Its Developers Quietly Drift Awayを参照していただきたい。