1月19日、jQueryチームが「jQuery 4.0.0」と題した記事を公開した。この記事では、約10年ぶりのメジャーアップデートとなる最新版の変更点とともに、Webの7割以上を支え続けるこのライブラリの現在地について詳しく紹介されている。

以下に、その内容を紹介する。
ReactやNext.jsといったモダンなフレームワークが主役の現代において、jQueryは「過去の遺物」とみなされがちだ。しかし現実の数値は、そのイメージとは大きく異なる。W3Techs等の最新調査によれば、全Webサイトの約70%〜80%以上で依然としてjQueryが使用されており、その市場シェアは他を圧倒している。今回のアップデートは、この膨大な「既存のWeb」を現代のセキュリティと標準規格に適応させるための極めて重要な一歩だ。
「今どきのエンジニア」が知らないjQueryの現実
- WordPressという巨大なエコシステム: 世界のWebサイトの4割以上を支えるWordPressは、今なおjQueryをコアに内包している。膨大な数のWordPressプラグインやテーマがjQueryに依存しており、これらが動き続ける限り、jQueryはWebの「現役インフラ」であり続ける。
- 「書かない」ための標準化: かつてはブラウザ間の挙動の差を埋めることがjQueryの主目的だったが、4.0ではソースコードのES Modules化やTrusted Typesへの対応など、現代の厳格なセキュリティポリシー(CSP)下で安全に動かすための「守り」の進化を遂げている。
主要なアップデート項目とパフォーマンスの進化
今回のリリースでは、単なる互換性の維持にとどまらず、徹底した贅肉の削ぎ落としによる最適化が図られた。
- IE 11未満のサポート廃止: 負の遺産となっていたIE 10以前のコードを削除。これにより内部ロジックが単純化され、実行効率が向上した。
- ライブラリの軽量化: レガシーコードや非推奨API(
$.trim,$.isArrayなど)の削除により、通常版で3KB以上のサイズ削減を達成。 - 究極のスリムビルド:
Ajaxやアニメーションに加え、Deferredsまで削ぎ落としたスリム版は、gzip時で20KBを切る(約19.5KB)軽さを実現した。これは、モバイル環境での初期読み込み速度に大きく貢献する。
業界の反応:驚愕と、圧倒的な信頼感
ネット上では、「まだ開発が続いていたのか!」という驚愕の声とともに、「実家の安心感」や「インフラとしての責任感」を評価する声が根強い。
| 反応のタイプ | エンジニアの主な声 |
|---|---|
| モダン派 | 「ネイティブJSで十分では?」と疑問視する一方、ESM対応には一定の理解を示す。 |
| 現場の保守派 | 「既存の大規模システムを安全に最新化できる」と、この地味ながら確実な進化を歓迎。 |
| WP開発者 | 「プラグイン開発のスタンダード。4.0対応でさらに寿命が延びた」と実利的な評価。 |
20周年の祝賀とこれから
今回のリリースは、開発チームがダラスで20周年を祝うリユニオンの最中に公開された。

2006年にJohn Resig氏が放った「Write Less, Do More」という思想は、20年を経て「Webを安定して支え続ける」という新たなフェーズへと昇華された。
詳細はjQuery 4.0.0を参照していただきたい。